国務院:10年前後で都市排水・冠水防止システムを整備 (2)
■都市冠水の抜本的解決策
専門家「排水とともに貯水も必要」
大都市の冠水問題を解決するため、通達は人口の密集する、災害の起きやすい特大都市と大都市では、排水・冠水防止施設の建設にあたり国家基準の上限を採用するよう指示している。単なる排水だけでは都市冠水の実効性ある、抜本的な解決は困難だ。向氏は「たとえ北京で最も排水能力の高い天安門広場でも、10年に一度の豪雨にしか対応できず、住宅・都市農村建設部(住宅・都市農村建設省)の定めた上限も、3-5年に一度の降雨に過ぎない」と指摘した。
また、都市の排水能力を無限に高めることもできない。都市排水は河川の排水能力の制約を受けるからだ。
向氏は「都市の排水能力を合理的に高めると同時に、吸水・貯水能力を十分に利用して降雨を現地で吸収することが、都市冠水対策の最も有効な方法だ。降雨の現地吸収には3つの利点がある。第1に、冠水問題を緩和できる。第2に、排水システムの建設工事量と河川の排水圧力を減らすことができる。第3に、地下水を補充できる。これは北部の水不足地域にとって特に重要だ」と説明した。