安倍首相初訪米への3大疑問 (2)
(2)経済成長は近づいているのか?
日本国民が最も注目するのは、安倍内閣の下で日本経済が低迷状態を脱するかどうかだ。安倍内閣発足から2カ月近く、国民は希望の光を見たようだ。時事通信が15日発表した最新の世論調査では、安倍内閣の2月の支持率は1月を7.4ポイント上回り、61.4%に達した。一方、不支持は3.3ポイント減り、わずか17.5%となった。金融緩和、財政出動の増加など安倍氏の景気刺激政策が国民の好評を博したと記事は指摘している。
日本経済の持続的成長には、親密な同盟国である米国の姿勢が極めて重要だ。戦後日本の歴史は米国に絶えず盛り立てられ、あるいは抑圧されてきた歴史だと専門家は指摘する。戦後米国は日本の民主化改革に成功し、日本を経済大国へと盛り立てた。だがプラザ合意1つで、日本経済を「追い越し車線」から引きずり下ろした。民主党政権期を見れば、鳩山氏は「脱米入亜」理念を提唱したことで、米国の非情な抑圧に遭った。たとえ日本経済が本当に「追い越し車線」に再び入ったとしても、米国は再び合意1つでその成果を持ち去っていくのだろうか?
しかも日米間ではすでに環太平洋パートナーシップ協定(TPP)が懸案となっている。米国にとってTPPは自国の主導する貿易体制であり、アジア太平洋回帰の重要な一環でもあり、日本がTPP交渉参加に応じるか否かを非常に重視している。だが安倍氏は「TPPが全ての関税を撤廃するのなら交渉に参加しない」と繰り返し公言している。TPP問題は農業および選挙に大きな影響力を持つ既得権益集団である農協に関わり、TPP問題で民心を得られなければ、参議院選挙の行方が危うくなるからだ。互いに要望を抱える日米がワシントンで矛を交えるのは必至だ。