日本オリンピック委員会は日本卓球協会に毎年3億円を拠出しているという。この経費はコーチの招聘、選手への給料、試合の参加費などに使われる。うち、青少年の育成に3分の1が割り当てられる。村上監督は「青少年のトレーニング面では、どの国も日本に叶わないだろう」と語る。資金面の保証があるため、日本の青少年には国際試合に参加するチャンスが多く与えられる。伊藤選手の場合、ワールドツアー・ユース大会だけでも年に約10回の出場チャンスがある。
昨年の中国オープンにおける日本代表の活躍は中国代表からも注目を集めた。中国女子チームの李隼コーチは、「日本はここ数年、青少年の育成に力を入れている。現時点で、中国の同年齢の選手が日本の選手に勝てるとは限らない」と語った。
▽中国式のトレーニングを導入
これまでは、体制面の違いから、日本の選手は中国式の集中トレーニングを行うことができず、各自で試合に備え、試合直前になってから集中トレーニングを行ってきた。しかし、今年からこの状況に変化が生じた。石川佳純を指導する陳莉莉コーチによると、日本チームは現在中国チームとほぼ同じトレーニングを取り入れており、卓球専用のトレーニング拠点を建設し、選手権前には1カ月半の集中トレーニングを行い、毎日5時間以上練習しているという。これは中国女子チームのトレーニングメニューとほぼ同じだ。
このほか、日本チームは厳格な選抜体制を制定しており、厳しい競争に勝ち残った選手のみが日本代表として世界選手権・国際試合に参加できる。選抜の基準として、毎年年初に日本卓球協会が全てのナショナルチーム選手に対する総合評価を行い、ランク付けしている。
日本卓球界は現在、中国の成功の道を見習い、2020年東京五輪に向けた秘密兵器として「ポスト福原愛」を育成している。
これは、中国にとっても良いことと言える。中国卓球界はこれまで、独り勝ち状態が続く卓球競技の衰退を懸念し、強い外国人選手を育てる「養狼計画(ライバル育成計画)」を進めてきた。より強いライバルの登場は中国も望むところだ。(編集SN)
「人民網日本語版」2014年4月30日