日本『留学生新聞』創刊者の趙海成さんを訪ねる (5)
記者:日本への留学を考えている学生やもうすぐ留学する学生にアドバイスはありますか。
趙海成:私は、留学する人は目標を持つべきだと思います。ある人は留学のために留学をしてしまいますが、結果は、どんな専攻を選ぶかもわからなくなってしまいます。だからこのための準備は必要です。例えば、日本語学科の学生の多くが日本の大学院に行きたがりますが、大学院ではほかの専攻を選ばなければならない。言葉はただのツールです。この時に多くの人は何をしていいかわからなくなってしまいますが、短期間では新しい専攻に備える余裕もありません。ですから、留学を考えている人は、日本に行く前に準備をして、別の専攻の学習や研究を行い、日本に行ってからの基礎を作っておくといいでしょう。
日本では、学習だけではなく、アルバイトもした方がいい。お金のためではありません。言葉を習得し、日本社会に触れる絶好の機会になるからです。経済的にはどんなに恵まれても、アルバイト生活は経験した方がいいでしょう。この機会を利用して多くを学び、多くを観察し、日本の物事を学んで、中国に持ち帰り、中国の建設のためによく貢献してください。
■後記
趙海成:日本留学の価値とは何か
価値は、何を評価基準にするかによって変わります。私は、日本に行った20年余りで、たくさんのことを経験しました。留学からアルバイト、新聞立ち上げ、日本人との結婚、病人(妻)の世話、そして帰国。大きな円を描いてまた元の場所に戻り、ゼロから始めているようにも感じます。
私は、商売上手な人たちとは違って、金銭的な報いを多く得たわけではありません。しかし私の日本での生活はとても有意義なもので、あの頃のことを今でもとても大事にしています。私の日本での体験や学んだ物事は、お金によってははかることができない、私にとっての大きな財産なのです。
私と日本との縁はたぶん死ぬまで途切れることはないでしょう。中国と日本は隣国同士で、「同文同種」とよく言われます。私は少なくとも、文化の面では、中国と日本はとても近く、日本では中国の伝統文化がよく活かされ、継承されていると考えています。今度は、中国が日本からよいものを学ぶ番です。政治のことはひとまず置いておきましょう。文化面で中国は日本からもっと学ばなければなりません。中国が日本に追い付くにはまだ長い道のりがあります。
「人民網日本語版」2013年12月9日