■中国映画市場はまだ未成熟
製作レベルを向上させることが、基本的な道筋
すでに輝かしい成績をあげた映画界だが、産業界の更なるレベルアップを図る過程において、2013年の映画市場では直視せざるを得ない問題も比較的突出して現れた。一部の映画において、高い興収と質の低さのギャップが業界内外で注目される焦点となった。実のところ、質が悪いにもかかわらず、高い興収を記録する映画は中国映画市場においてさして目新しい現象ではない。「ヒットしてもいい映画とはいえない」現象は、中国映画産業の初期からずっと克服できない頑固な病魔となってきた。しかし2013年には、評価も高く、興行成績も上々の国産映画が数多く登場したことで、映画の質と興収の間にギャップがある映画が相対的に目立つようになってしまった。ただ、こういった現象はある程度、産業発展の過程において段階的に発生する問題とも言える。
ある業界関係者は、質が低いのにヒットする映画が生まれるのは、映画市場が成熟していないことに起因しているという見方を示している。成熟した映画市場では、観客の映画の好みは多くの映画を鑑賞することによって形成されていく。目の肥えた観客は映画の質に対して比較的高い要求をするようになり、映画のジャンルに対しても比較的明確な傾向を示すようになるという。このような市場において、映画の質と興収の関連性はより密接になり、市場のルールも具体的な作品プロジェクトの中でより有効性を発揮するようになる。現在の中国映画市場はこのような発展レベルからはまだ明らかに距離があるという。
すでに獲得した市場の優位性をより固めるためには、国産映画の質を絶え間なく向上させなければならない。世界の映画勢力の中で、世界第2位の映画市場を持つ中国と後者の間の差はすでに益々広がっている。しかし、高い実力を持つハリウッドに対抗するには、中国市場はより北米市場との差を縮め、中国映画は自分たちのブランドイメージを築かなければならない。以前同様、任重くして道遠しである。(編集MZ)
「人民網日本語版」2013年1月10日