中国、2025年に次世代炭素衛星を打ち上げへ

「世界人為的炭素排出・陸地生態系炭素収支のリモートセンシング評価科学報告書」が26日、北京市で発表された。同報告書は中国科学院航空宇宙情報イノベーション研究院（空天院）が筆頭になり作成されたもので、衛星リモートセンシング技術を利用し、世界と主要国の人為的炭素排出・陸地生態系炭素収支状況を評価した。文匯報が伝えた。

「ダブル炭素」（CO2排出量ピークアウト・カーボンニュートラル）の目標を達成するためには、正確な世界炭素チェック（各項目の炭素排出・炭素吸収の貢献を計算すること）が前提条件となる。衛星リモートセンシングは人類活動または生態系と大気の二酸化炭素（CO2）の交換状況を定量モニタリングでき、世界的に認められる新たな世界炭素チェック方法になっている。

中国科学院院士で、空天院院長の呉一戎氏は、「衛星リモートセンシングは世界の炭素循環の高精度で高精細なモニタリングに不可欠な技術手段で、中国の炭素調査実施に対して重要な意義がある。中国の炭素衛星は世界CO2濃度の高精度観測を実現できるだけでなく、世界と主要国別の純炭素フラックス、すなわち陸地と大気の間のCO2純交換量を同化・逆推定できる。国別もしくはグローバルスケールの純炭素フラックスがゼロかゼロ以下の場合、国もしくは世界のカーボンニュートラルの目標が達成される。中国炭素衛星の計算同化・最適化を経た世界純炭素フラックスは計算の誤差が大幅に縮小されており、年間純炭素フラックスの計算の誤差はすでに34億トンから4億7000万トンに低下している」とした。

中国は2025年に次世代炭素衛星を打ち上げる。より高い分解能とより高い効率によって世界のCO2濃度をモニタリングできるようになる。世界炭素チェックと国の「ダブル炭素」戦略目標に中国独自の科学データを提供する。（編集YF）

「人民網日本語版」2023年7月31日