人民網日本語版>>経済

「安全基準を満たす」? 日本の原発汚染水処理設備の安全性・有効性に疑問

人民網日本語版 2023年06月12日15:54

資料写真(写真著作権はCFP視覚中国が所有のため転載禁止)

資料写真(写真著作権はCFP視覚中国が所有のため転載禁止)

日本政府と東京電力の原発汚染水海洋放出計画の中では、多核種除去設備(ALPS)が重要な位置を占める。日本側はALPSを使って浄化処理した原発汚染水をいわゆる「ALPS処理水」と呼び続け、安全基準を満たしているため排出できると言うが、福島第一原子力発電所の汚染水を処理するこの設備の安全性、有効性、持続可能性に対し、国際社会からは常に懸念が示されている。中央テレビニュースが伝えた。

第一に、ALPSは急いで打ち出されたもので、世界でも運用の前例がなく、技術的に成熟しておらず、安全性に疑問が残る。ALPSは2013年に試運転が始まったが、日本の原子力規制委員会の「検査に合格」したのは22年3月のことだ。日本政府が21年に原発汚染水の海洋排出計画を発表したことを考え合わせると、このかなり時間がたってからの「検査合格」は既成事実の追認と化したようだ。

実際、ALPSは運転期間に問題が続出していた。16年には水漏れが4ヶ所発見された。18年にはいわゆる原発処理水のストロンチウムをはじめとする放射性物質の濃度が基準値を超えていることが明らかになった。21年には排気中に含まれる放射性物質を吸着するフィルターの半数近くに破損があることがわかった。そのフィルターは2年前に交換したばかりだった。

第二に、福島原発の汚染水は徹底的に処理されたというが、有効性に疑問が残る。東電によれば、原発汚染水133万トンのうち、132万トンは処理済みだというが、東電公式サイトにある原発汚染水の処理状況のイメージ図によると、「ALPS処理水」は3割しかなく、残りは「処理途上水」となっており、実際には検査に合格していない。

第三に、ALPSの「寿命」がはっきりせず、持続可能性に疑問が残る。東電はこれまでALPSの設計寿命または使用寿命を明らかにしていない。東電の現在の廃炉計画によると、遅くとも41-51年までに福島第一原発の廃炉作業を完了することが目標だとしており、言い換えればそれまでは大量の原発汚染水が発生し続けるということだ。ALPSのフィルターの半分近くが2年で破損したことから、このシステム設備の寿命を楽観視することはできない。

こうした要因だけでなく、独立した第三者の監督メカニズムによるALPS処理水のモニタリングもない。太平洋海域の周辺国、太平洋島嶼国、漁業団体、環境保護団体などのステークホルダーが監督に参加できなければ、日本が「処理水」に問題はないと断言しても独断に過ぎないということになる。(編集KS)

「人民網日本語版」2023年6月12日

関連記事

おすすめ写真

コメント

ランキング

  • 全部
  • 経済
  • 社会
  • 政治