外交部(外務省)の21日の定例記者会見で、汪文斌報道官が日本の原発汚染水海洋放出に関する質問に答えた。
【記者】報道によると、福島第一原子力発電所の原発汚染水海洋放出に関連する一部装置の運用が現地時間17日に始まった。関連装置は原発汚染水の撹拌、及びトリチウム以外の放射性物質の濃度測定に用いられる。福島県の現地メディアによると、同装置は6日間かけて撹拌を行い、約2ヶ月かけて濃度を測定する。これについて中国側としてコメントは。
【汪報道官】日本側は、多核種除去設備(ALPS)で浄化した原発汚染水は安全で無害だと主張している。だが実際には、日本の原発汚染水は60種以上の放射性核種を含み、多くの核種に対する有効な処理技術がなく、一部の長寿命放射性核種は海流に乗って拡散し、生物濃縮効果によって環境中の放射性核種の総量が増え、海洋環境と人の健康に予測不能な危害をもたらす可能性がある。ALPSの技術的な成熟度や有効性は、第三者による評価や認定を受けておらず、これほど処理量が多く、成分の複雑な原発汚染水は前例がなく、その長期的な有効性には大きな疑問がある。日本側が今年3月に発表したデータでは、ALPSで処理された原発汚染水の70%近くが基準を満たしていなかった。このデータは、データの改竄や隠蔽報告を繰り返してきた東京電力が提供したものだ。そのようなデータを根拠に日本側が「処理水」と称する原発汚染水の安全性を、国際社会はどうして信じられるというのか。太平洋諸島フォーラム(PIF)の専門家も、今までのところ放出関連データの独立性と検証可能性は満足のいくものではないと考えている。
我々は日本側に対して、客観的・科学的観点に立ち、海洋放出以外の処分案の十分な検討と論証を含め、安全かつ国際的義務、国際的な安全基準、国際的に望ましい実践を満たす形で原発汚染水を処理するよう促す。全てのステークホルダー及び関係する国際機関が海洋放出案の安全性を確認するまで、日本側は原発汚染水の海洋放出を始めるべきではない。もし日本側が独断専行するのなら、国際社会には、全人類に核汚染のリスクを転嫁したその行為に対して責任を負うよう日本側に要求する権利がある。(編集NA)
「人民網日本語版」2023年3月22日