日本の大地震と津波、そしてこれにより引き起こされた福島第一原発事故から3月11日で12年となった。日本各界の人々は連日集会を開き、今年春から夏の間に福島原発汚染水を海洋放出するという日本政府と東京電力の計画に反対している。
中国外交部(外務省)の汪文斌報道官は14日の定例記者会見で、関連する質問に対し、「12年が過ぎたが、日本政府は福島原発事故の痛ましい教訓を汲み取らず、反対に原発汚染水の海洋放出計画を頑なに強行推進し、核汚染のリスクを全人類に転嫁しようとしている。これは責任ある国のやるべきことでは断じてなく、日本が果たすべき国際的義務とも相反している」と指摘した。
汪報道官は「福島原発から排出される予定の原発汚染水は130万トン以上にも上り、60種類以上の放射性核種を含み、ひとたび海洋放出が始まれば、今後数十年の間に全世界の海域へと広がり、全世界の海洋環境と人類の健康に計り知れない影響を与える。中露の専門当局は2度にわたり技術的観点から日本側に『共同質問リスト』を提出したが、日本側からは未だに十分で信用できる回答がない。二―ジーランド・オークランド大学の社会学者カーリー・バーチ氏は、太平洋地域の人々には清潔で健康的かつ持続可能な発展環境に対する基本的な権利があり、日本政府が原発汚染水の海洋放出計画を強引に推し進めるのは、太平洋諸国の主権と自決権を直接的に無視するものだと指摘した。太平洋諸島フォーラムは、東京電力による原発汚染水検査測定データを放出決定の根拠としてはならないとして、日本側に海洋放出計画の延期を要求した」と指摘。
「日本政府は、ステークホルダーの理解を得る前に海洋放出を始めることはないと繰り返し主張する一方で、国際社会と自国民の正当で合理的な懸念には耳を貸さず、独断専行で海洋放出計画を承認したうえ、今年春から夏の間に海洋放出を始める予定で、再延期はないと宣言した。日本側のこのような言行不一致のやり方には、ステークホルダーの懸念を解消する誠意がみじんも感じられない」とした。
また「福島原発汚染水の海洋放出は日本だけの事ではなく、海洋環境と人類の健康に関わる重大な事だ。我々は再び日本側に対して、各方面の合理的な懸念を正視し、自らの国際的義務をしっかりと履行し、厳格な国際的監視を受け入れ、海洋放出以外の処分案の検討を含め、科学的で公開性と透明性のある安全な方法で原発汚染水を処分するよう促す。周辺諸国などのステークホルダー及び関係する国際機関と十分に協議し、合意に至る前に、原発汚染水の海洋放出を勝手に始めるべきではない」とした。(編集NA)
「人民網日本語版」2023年3月15日