中国石油化工集団(中国石化)が10日に明らかにしたところによると、中国初の「西氫東送」(西部地域の水素を東部地域に輸送すること)パイプラインモデルプロジェクトが「石油天然ガスの全国的なネットワーク建設実施案」に組み入れられた。これは中国の水素ガス長距離輸送パイプラインが新たな発展段階に入ったことを示している。
上述した案は、国家エネルギー局が今年3月に通達したもので、中長期油ガスパイプライン計画及び5カ年油ガス発展計画パイプライン建設の任務の細分化と実行を趣旨とする。
中国石化の馬永生会長は、「グリーン水素とは風力エネルギーや太陽光エネルギーなどの再生可能エネルギーで製造される水素のことを指し、最も発展のポテンシャルが高いクリーンエネルギーの一つとされている。内蒙古(内モンゴル)自治区は風力・太陽光資源が豊富で、グリーン水素発展の恵まれた優位性を持つ。『西氫東送』は内蒙古自治区の烏蘭察布(ウランチャブ)市から始まり、終点は北京市。パイプラインの総延長は400km以上。中国初の省・自治区を跨ぐ大規模で長距離の完全水素輸送パイプラインだ。完成後は北京・天津・河北地区の既存の化石エネルギーによる水素製造に代わり、中国のグリーン水素の需給ミスマッチの問題を大きく緩和し、今後の中国の地域を跨ぐ水素輸送パイプラインの建設にとって戦略的なモデル的・牽引的役割を持ち、中国のエネルギーモデル転換・高度化を後押しする」と述べた。
「パイプライン1期の輸送力は年間10万トンで、年間50万トンの長期拡大のポテンシャルを残しておく。同時に潜在的な水素源に接続できるように、沿線の複数の地域で接続ポートを残しておく」。馬氏によると、中国石化は今後「西氫東送」パイプラインを活用し、支線及び水素マザーステーションを建設し、北京・天津・河北水素エネルギー回廊の構築をサポートし、北京・天津・河北地区の二酸化炭素排出量ピークアウト・カーボンニュートラルの目標達成を後押しする。(編集YF)
「人民網日本語版」2023年4月11日