中国共産党陝西省委員会宣伝部や省人民政府新聞弁公室は5日に開いた記者会見で、秦嶺山脈の生態系の質の高い保全と復元が功を奏し、その森林率は82%に達し、全国最高となったことを明らかにした。中国新聞網が報じた。
ここ10年、陝西省は砂漠化と土壌侵食の対策である「三北」防護林プロジェクトや、耕作をやめて森林・草原に戻す「退耕還林還草プロジェクト」、天然林保護といったプロジェクトを継続的に推し進め、重要な生態系を保全・復元する重大プロジェクトを実施してきた。同期間中、省全体の造林面積は約541万ヘクタールに達し、森林率は4ポイント上昇したほか、草原の植生被覆率は60%に達した。延安市以北は、「黄色」から「緑」へと変わり、陝西省北部は全国で、連続した森林の面積の増加幅が最大となり、省全域で緑が増え、緑の色がより濃くなっている。
またここ10年の間に、陝西省は秦嶺山脈や黄河、長江の生態系を保全・復元すべく10大計画を策定し、実施してきた。そして、黄河西岸の「緑の回廊」では緑が増加し、毛烏素(ムウス)砂漠の約57万ヘクタールの砂の流動が食い止められた。
さらにジャイアントパンダ国家公園の陝西省エリアの建設も新たな進展を遂げ、自然保護区3ヶ所、自然公園47ヶ所が新たに設置され、秦嶺山脈、黄土高原という2大自然保護地群が形成されている。そして省全域の各種自然保護地の数は270ヶ所、面積は約211万ヘクタールに達している。
ここ10年、陝西省はキーテクノロジーをめぐる難関攻略にも取り組み、野生の動植物を救うための重要な歩みを踏み出してきた。そして、1981年に発見された時にはわずか7羽だったトキの数は2012年に約1300羽、そして現在は約9000羽にまで増加し、トキの生態系復元という分野で「奇跡」を起こした。また、秦嶺山脈の野生パンダの個体数の増加幅や密度は中国全土でトップとなっているほか、子午嶺国家級自然保護区ではヒョウの群れが確認され、秦嶺石蝴蝶(Petrocosmea qinlingensis W. T. Wang)や独叶草(Kingdonia uniflora Balf.f.et W.W.Smith)といった重点保護野生植物種、分布が増え続けている。(編集KN)
「人民網日本語版」2022年12月7日