人民元の対米ドルレートは11月に累計1300ベーシスポイント(bp)上昇し、12月2日には1ドル=7元をもう少しで突破するところまで上昇した後、5日にはついに7元を突破した(1元は約19.6円、1ドルは約136.5円)。
5日午後6時、オンショア、オフショアともに、人民元の対ドルレートが6.95元以上に上昇した。人民元レートが「6元台」に反転上昇したのは今年9月下旬以降で初めてだった。
中国銀行研究院の王有鑫シニア研究員は取材に対し、「ドルは曲がり角を迎えており、金融引き締め政策によるサポートが徐々になくなると、衰退的取引の打撃の中でさらに低下するだろう。最近の人民元レートの大幅な反転上昇の動きは外部要因から見れば、米連邦準備制度理事会(FRB)の引き締め政策に対する予測の変化によるものだ」と述べた。
FRBのパウエル議長は現地時間の11月30日に行なったスピーチの中で、金融政策の効果にはタイムラグがあるなどの要因を踏まえて、FRBがこれから利上げペースを鈍化させる可能性を示唆した。
南華先物股份有限公司の研究報告によると、FRBの金融政策の方向転換に対する市場の予測が再び上昇傾向にある。最近はドルインデックスが変動しながら低下して、全体として弱まっており、先週は105を下回ったという。
中国民生銀行の温彬チーフエコノミストは、「内部要因から見ると、中国の複数の地域で新型コロナウイルス感染症の対策措置が最適化され、中国内外の市場ムードが明らかに高まっているにつれ、中国経済の回復の見通しはさらに楽観的なものになっている」との見方を示した。
前出の南華先物の報告書も、「ドル指数が著しく下落し、中国国内では好材料となる政策が多角的に強化され、感染症対策措置の最適化の流れも非常に明らかになっているなどの影響を受けて、中国経済の回復に対する市場の信頼感が大幅に上昇した」とした。
また温氏は、「中国人民銀行(中央銀行)が現在、重点として注目するのは経済成長であるので、現時点での金融政策は比較的緩やかなものだ。12月5日に人民銀行は預金準備率の0.25ポイント引き下げを正式に実施し、長期資金約5千億元を放出した。これは流動性の合理的なゆとりを維持し、経済安定の一括した政策措置を実施する上でプラスであり、中国経済の調整回復にとっても好材料だ」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2022年12月6日