12月3日に、SF小説「三体」のアニメ版が動画サイト「bilibili」(ビリビリ)で独占配信される予定で、世界中の「三体」ファンから大きな注目が集まっている。
アニメ版「三体」はビリビリが筆頭になり制作したもので、11月28日までに動画広告の再生回数は5543万6千回に上った。ビリビリの張聖晏副総裁は、「当社が『三体』のアニメ化を発表すると、海外のクリエイターからプロジェクト参加に関する問い合わせがたくさん来た。同時に、たくさんの海外の『三体』ファンの間で大きな注目を集めた」と振り返った。
海外での映画版「三体」の制作には、国際的な大手企業も積極的に関わっている。今年9月には、ネットフリックスが米国ドラマ版「三体」の制作情報を発表し、世界的に人気を集めたテレビドラマシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」の制作チームを招き、巨額の費用を投じて制作を進めていることを明らかにした。
調査会社の艾媒諮詢の張毅最高経営責任者(CEO)兼チーフアナリストは、「『三体』のアニメ化が成功すれば、中国製アニメ作品の海外進出をさらに後押しすることになる」とした。
実際、ここ数年の間に、中国の漫画・アニメ市場が成長するのに伴って、国産アニメの海外進出が日増しに活発になった。
昨年発表された「中国映画の海外ネットワーク発信力の研究報告(2018-2020)」によれば、中国のアニメ映画は海外のネットワークで目覚ましい発信力を見せている。「ナタ~魔童降臨~」、「スノーベイビー」、「羅小黒戦記」、「ジャン・ズーヤー:神々の伝説」、「フェイフェイと月の冒険」、「Spycies]が今年、海外への発信力上位6位に並んだ作品だ。
中国の多くの優れたアニメ作品は海外でも公開され、海外のアニメクリエイターと視聴者が中国のアニメ作品に注目するようになった。たとえば20年に配信されたアニメ映画「羅小黒戦記」は日本のソニー傘下のアニプレックスとチームジョイが共同制作したもので、日本では公開から87日間で興行収入が5億円を超え、中国アニメの海外公開における興行収入の最高を更新した。
ますます多くの中国国内プラットフォームもアニメの大きな可能性を後押ししようと力を入れている。優酷漫画アニメセンターの孫昊ゼネラルマネージャーは、「2022年には、ユーチューブだけで、優酷アニメチャンネルの閲覧ユーザーは50万人に迫り、アニメチャンネルは年間1億回再生され、193ヶ国・地域をカバーした」と述べた。
騰訊(テンセント)視頻も国産アニメの海外進出を推進する中心的存在だ。企鵝影視と潤物定格アニメ制作スタジオが共同制作した短編アニメ映画「日暮の隙」は、モスクワや東京など複数の地域で国際的な大きな賞を受賞し、カンヌ映画祭のショートフィルムコーナーでも上映された。(編集KS)
「人民網日本語版」2022年11月29日