重慶大学が5日に明らかにしたところによると、同大の国家マグネシウム合金材料工学技術研究センターが広東国研新材料有限公司や広東省科学院などの機関と協力し行った「マグネシウムイオン電池」プロジェクトが、このほどスペイン・バルセロナで開催された第79回世界マグネシウム業大会で2022年国際「マグネシウム未来技術賞」を受賞した。これは世界のマグネシウム業界で唯一の「未来技術賞」だ。科技日報が伝えた。
重慶大学マグネシウム電池チームが開発した一部のマグネシウム電池製品。(画像提供は重慶大学)
リチウムイオン電池は情報産業、自動車産業、現代の経済発展に重要な貢献を成し遂げているものの、リチウム電池には資源不足、コスト高、環境汚染が深刻、安全性が低いといった問題がある。マグネシウムのコストはリチウムの25−50分の1しかない。マグネシウム電池の負極はデンドライトを形成しにくく、安全性が高い。そしてマグネシウム及びその化合物は環境を汚染しない。さらにマグネシウム電池の理論上のエネルギー密度はリチウムイオン電池に相当する。そのためマグネシウムリチウム電池は最も応用の見通しが明るい次世代二次電池の一つで、電池工業の潜在的なゲームチェンジャーとされている。
中国はマグネシウム資源が豊富で、マグネシウムとマグネシウム合金の研究開発と産業は世界トップ水準にある。マグネシウムイオン電池に力を入れて発展させ、それを応用することは、リチウムの資源不足という難題を効果的に緩和でき、エネルギー貯蔵産業と情報産業の発展、新エネ車の世代交代などに対して非常に重要な戦略的意義と市場価値を持つ。(編集YF)
「人民網日本語版」2022年9月6日