新型電池高・低温性能テスト(左はマイナス70℃、右は80℃)。(画像提供は中国科学院深セン先進技術研究院)
中国科学院深セン先進技術研究院が24日に明らかにしたところによると、同研究院のカーボンニュートラル研究所(仮)の唐永炳研究員のチームによる新型リチウムイオン電池技術の量産化が行われた。この電池の最低稼働温度はマイナス70℃に、最高稼働温度は80℃にのぼる上、低温・高温時の性能を同時に兼ね備える。中国新聞網が伝えた。
同研究院の関係責任者によると、唐氏のチームが10年近くで研究開発した新型リチウムイオン電池技術は、中国初の広温度範囲・低コスト・長耐用寿命の電池製品だ。
新型電池量産ラインの一部とロット試験。(画像提供は中国科学院深セン先進技術研究院)
新型電池は何が新しいのだろうか。同チームは主に負極材料及び電解液を工夫し、一種の新型アルミニウム複合負極材料を研究開発した。商用リチウムイオン電池正極材料とのマッチングを通じ、異なる応用シーンを対象とする新型マンガン酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元電池などの製品を開発した。
同チームに関連する研究員によると、今回研究開発された新型アルミニウム複合負極材料は、低温及び過充電の条件下でリチウム樹枝状結晶の発生を効果的に減らし、安全性を高めることができる。航続性能の面では、同電池のエネルギー密度は従来のリチウムイオン電池を13−25%上回り、長時間の使用が可能で、20分でフル充電できる。
同時にコストの面では、アルミニウム複合負極の性能の優位性に基づき、そして開発された高性能電解液と結びつけることで、低温電池は高額なナノ級正極材料への依存から脱却し、電池のコストを10−30%削減できる。(編集YF)
「人民網日本語版」2022年5月25日