2022年にカタールで開催されるFIFAワールドカップ(W杯)のアジア最終予選に進出する12ヶ国の組み合わせ抽選会がこのほど、マレーシア・クアラルンプールで行われ、中国は日本、オーストラリア、サウジアラビア、オマーン、ベトナムとともにグループBに入った。抽選の結果が決まり、サッカー中国代表は再びW杯最終予選に向けた戦いをスタートした。
W杯経済の金脈を掘り当てようとする戦いもスタートした。大きなものでは入場料収入、放映権収入、スポンサー収入、小さなものではサッカーファンが買い求めるビールやザリガニ、ユニフォームなどがW杯経済の主戦場になる。
ザリガニとビールの売り上げがまた爆発的増加?
ザリガニを食べながらビールを飲んでサッカーを観戦する。これは多くのサッカーファンにとっての夏の一番の楽しみだ。
実際、4年に一度のW杯はサッカー界の一大イベントであるだけでなく、飲食業界にとっての一大イベントでもある。業者はこの時期になるといつも一連のマーケティング手法を繰り出し、サッカーファンから大いに「しぼり取ろう」とする。こうした傾向は今年の欧州選手権の期間中にもみられた。
北京市にある牛啤堂精醸啤酒餐吧(NBeerPub)の店員は、「最近うちの店はとても繁盛していて、午後6-11時だと整理券を取って並ばなければならない状況だ」と述べた。また火鬼披薩(PyroPizza)五棵松店の店員は、「うちは平日は大体深夜2時頃に閉店するが、欧州選手権の開催中は消費者のニーズに応えるため、状況に応じて閉店時間を遅らせている。午前0時や3時に始まる試合を見たいなら、うちに来れば観戦できる」と話した。
オンラインフードデリバリープラットフォーム「Eleme」がこのほど発表したデータでは、欧州選手権のグループリーグが始まると、深夜・早朝のデリバリー受注量が大幅に増加した。ミルクティ、ザリガニ、肉の串焼きなど観戦のお供に人気のグルメはどれも受注量が2倍かそれ以上増加し、特にミルクティは前年同期の3倍増となった。
中国中央テレビ局(CCTV)ビジネスチャンネルの報道によると、一部の関係者が、「2021年はスポーツのビッグイヤーで、五輪・パラリンピックも欧州選手権も今年開催される。こうしたイベントにけん引され、夜のイベントや夜市などのルートを通じてビールの消費が大幅に増加し、集まって飲む機会も増加するとみられ、ここ数年は売り上げが振るわなかったビールが今年は息を吹き返す見込みだ」との見方を示す。
前出の調査データによると、このほかにも京東プラットフォームではサッカーボール、ユニフォーム、シューズなどの受注量が選手権開催期間に前期比75%増加し、体組成計の売り上げも前年同期比65%以上増加した。さらに、ぜいたく品の受注量が前期比18%増、化粧品が前期比35%増だったことが注目される。業者にとって、このサッカーの祭典はサッカーファンのお祭りであるだけでなく、これを契機に消費を促進できる絶好の商機でもあると言える。