経済回復は2大要因を見るべき
陳氏は、「ワクチンの日本での普及ペースと日本政府の変異ウイルスへの対策効果が、日本経済が回復できるかどうかを決定する2大要因だ」との見方を示した。
日本が3月21日で2回目の緊急事態宣言を全面的に解除してからしばらくして、変異ウイルスにより感染者数が再び増加に転じ、日本は4月23日に一部地域で3回目の緊急事態宣言を発出した。感染症が落ち着く兆しが見えないため、日本政府は東京都、大阪府、京都府、兵庫県の緊急事態宣言の期間を当初の予定より2週間延長して5月31日までとした。その後、愛知県、福岡県、北海道、岡山県、広島県も対象地域に加えた。これにより、緊急事態宣言の範囲は9都道府県に拡大した。
一方では、爆発的勢いの第4波がやって来たにもかかわらず、もう一方では日本でワクチン接種がなかなか進んでいない。英オックスフォード大学などがこのほどまとめた調査結果によると、日本ではワクチンの1回目の接種を終えた人だけでも約3%にとどまり、世界の平均レベルの9%に及ばず、主要7ヶ国(G7)の平均水準にもはるかに及ばない。
日本の厚生労働省が発表した計画では、日本の新型コロナワクチン接種は3段階で臨むとし、2月17日には感染症対策の第一線で奮闘する医療従事者約4万人の接種をスタートし、次は65歳以上の高齢者、最後に一般の人に対する大規模接種を行なうとしていた。
そうして接種は始まったものの、注射器の不足、輸入ワクチンの供給不足、人々のワクチン接種に対する懸念などにより、接種計画は停滞して前に進まない。陳氏は、「もともと(日本の)経済成長はワクチンの普及状況によると見られていたが、現在の状況から考えて、接種状況を見るだけでは不十分で、変異ウイルスへの対策も下半期日本経済の回復のカギを握る変数になる」と述べた。
変異した新型コロナウイルスは、日本の感染状況拡大の元凶と見なされている。現在、日本国内では英国型、ブラジル型、南アフリカ型、インド型の4種類の変異ウイルスが確認されている。日本の国立感染症研究所が12日に厚労省で開催した専門家会議で報告された分析結果によると、日本国内の新型コロナウイルスの90%が従来型から感染力のより強いN501Yの変異ウイルスに置き換わった。変異ウイルスは重症化のリスクが従来型の1.4倍になるという。
厚労省のデータを見ると、5月12日現在、日本各地で医療システムが逼迫している。うち新型コロナウイルス感染症による病床使用率は、「震源の真上にある」とされる大阪ですでに82.5%に達し、続く岡山は75%、福岡は70.7%だ。首都東京は43.7%を維持している。重症病床の使用率は兵庫が81.5%に達し、大阪の68.9%を上回る。東京は現在45.8%になっている。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年5月20日