外交部(外務省)の汪文斌報道官はこのほど、中国の動画共有アプリ「抖音」(TikTok、ティックトック)の米国事業の問題について述べた際、「TikTokが米国で『四方から囲い込まれ』たのは、政府が取引を迫る典型的なやり方だ」と述べた。確かに、「売却するか、会社をたたむか」と迫るのは、中国の特定の企業に理不尽な圧力をかける米国の覇権的な行動だ。米国の同盟国としての日本も、最近になって一部の議員と当局者が考えを巡らし、TikTokを制限するべきだと提起した。事態は一体どうなるのか。大勢のTikTokユーザーはどのような心境だろうか。中央テレビ網が伝えた。
大人気のTikTok 日本のユーザーは1千万人
TikTokは2017年夏に日本に上陸し、日本のApp Store(アップストア)のアプリ総合ランキングで何度も1位になり、今では日本で最も人気のあるショート動画プラットフォームになっている。日本のユーザー数は約1千万人に上り、コンテンツの種類は中国の抖音とほぼ同じで、歌・ダンス、旅、グルメ、お笑いなどがあり、マーケティングの手法にはスターの参加、アルゴリズムによるプッシュ技術などがある。
TikTokは日本の若者の間で非常に流行しており、日本政府と一部の大企業が情報を発信し、PR活動を行い、若者と交流・コミュニケーションをするプラットフォームにもなっている。今年の夏には、日本の厚生労働省がTikTokと提携して、熱中症予防のショート動画を公開した。新型コロナウイルス感染症の流行中には、東京都の公式アカウントがTikTokでショート動画の形式による新型コロナの最新情報を発信し、都民にどうすれば感染を予防できるかを伝えた。このほか神奈川県、神戸市、埼玉県、広島県、大阪府もTikTokの公式アカウントを開設した。
TikTokで180万人のフォロワーがいる日本人の堀川悟さんはカメラに向かって、「TikTokは自分に対するみんなの見方を変えてくれた」と感想を述べた。「昔はコンプレックスがあったが、今ではTikTokでいろいろ面白い動画を投稿し、みんなの自分に対する見方も変わり、自分のことを面白いと言ってくれる」という。「もしもTikTokが日本で使用禁止になったらどうか」との質問に対しては、「精神的に大きなダメージになる」と答えた。
今後の動向 日本はTikTokを制限するか
日本の現行の法律では、日本政府がTikTokを制限しようとしても、第1歩を踏み出すのが非常に難しい。日本の「個人情報の保護に関する法律」に基づき、企業に調査を発動する場合は、合理的な根拠がなければならない。消費者が情報を盗まれたと自ら申し出た場合を除いて、訴訟を提起した後でなければ調査を発動することはできない。たとえ消費者が訴訟を提起しても、直ちに関連のアプリケーションソフトを使用禁止にすることはできず、プロセスに基づいてまず警告を出し、速やかに改善するよう求めるという手順を踏まなければならない。