ショート動画共有アプリのTikTok(ティックトック)は24日に訴訟を提起し、トランプ政権が8月6日に発表したティックトックと親会社バイトダンスに対する大統領令は違法だと訴えた。訴状の内容はどんなものか。ティックトックは何を求めているのか。新華社が伝えた。
ティックトックが24日に提起した訴訟で訴えているのは、トランプ政権が8月6日に署名し発令した大統領令だ。訴状によると、ティックトックはこの大統領令は発令プロセスが合法でなく、ティックトックが本来享受すべき米国憲法で保障された権利を破壊したと同時に、「国際緊急経済権限法(IEEPA)」に依拠して措置を取ったとしているが、これも同法の乱用であると訴えた。
14日に発令された大統領令は訴訟の対象とはされていないが、ティックトックは訴状の中で同社が米外国投資委員会(CFIUS)の調査を受けたときに取った積極的な行動と調査プロセスにおけるCFIUSの違法な行為を列挙している。ティックトックによると、CFIUSは、ティックトックが採用した各種のセキュリティ措置では国家安全保障に関わる懸念を解消できないとの見方をティックトックに伝えず、さらに法定の審査期間の終了前にティックトックとの連絡を絶ち、ティックトックおよび代理弁護士とのやりとりを拒絶し、ティックトックが打ち出した各種の提案に対する検討を拒絶し、最後には審査期間の終了5分前になって、ティックトックの合併案が国家安全保障上のリスクを引き起こしたことを確認したと通知してきたという。
こうした細部の背景を、ティックトックははっきりわかっている。米国政府の大統領令は政治的目的で発令されたものであり、今回のトランプ政権に対する訴訟で戦いを挑むのは、米政府が理由もなく企業に与えてきた不公平な待遇だ。ティックトックは訴状の中で、「この大統領令は真の国家安全保障への懸念を基礎として打ち立てられたものではない。国家安全保障と情報セキュリティに関する独立系の専門家は、この大統領令の政治的な本質を批判するとともに、大統領令のいう国家安全保障という目標が初心に基づくものかどうか疑義を呈する。米国の大統領選がますます近くなる中で、米政権がこの大統領令を発表した背景とタイミングから、これが国家安全保障の保護という旗を掲げ、トランプ大統領の選挙戦の中で反中国という話題を振りまくことで、トランプ大統領に加勢しようとするものに過ぎないことが十分にわかる」と指摘した。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年8月26日