人民元が世界5位の決済通貨・5位の準備通貨に

人民網日本語版 2020年08月25日14:34

昨年一年間、銀行が顧客に代わって行う対外的な資金の受け取り・支払いは総額20兆元(1元は約15.3円)に迫り、前年同期比24.1%増加し、受け取り・支払い額は過去最高を更新した。現在、中国内外の経済・金融情勢は複雑で変化に富み、外部環境の不確実性が増大している。そんな中、人民元の国際化プロセスはどうなっているか。中国人民銀行(中央銀行)がこのほど発表した「2020年人民元国際化報告」ではこれについて、全面的に示されている。人民日報海外版が伝えた。

人民銀行が対外貿易企業を対象に行ったアンケート調査によると、2019年第4四半期の時点で、回答した企業の84.6%が、「人民元を対外的な収支決済で利用する主要通貨に選ぶ」と答えた。大手企業ほど人民元を対外貿易と投資の決済に利用する傾向があり、その割合は89%に達した。また人民元クロスボーダー決済業務を展開する企業のうち、海外の投資企業と香港・澳門(マカオ)・台湾地区の投資企業の割合が高く、それぞれ88%と89%に達した。

2019年以降、中米貿易摩擦をはじめとする外部要因の影響により、人民元相場の変動がさらに大きくなった。多くの企業は人民元クロスボーダー業務を為替リスク回避の手段として選択し、その割合は64.7%に上った。また決済のプロセスが簡便化されたこと、決済コストが下がったこと、企業の財務計算と資金管理が便利になったことも、企業が人民元クロスボーダー業務の展開を選択した主な要因だ。

企業の選択の背後には、人民元の国際経済と国際貿易を支える力がますます強まったことがあり、人民元の国際化プロセスが重要な進展を遂げたこともある。

国境を越えた利用の増加——昨年一年間、銀行が顧客に代わって行う対外的な資金の受け取り・支払いは合計19兆6700億元に達し、前年同期比24.1%増加し、前年の高度成長を基礎としてさらに急増傾向を維持し、受け取り・支払い額は過去最高を更新した。

準備通貨のシェアが上昇——人民元は国際通貨基金(IMF)加盟国の保有する外貨準備高の通貨別構成で5位になり、市場シェアは1.95%で、16年に人民元が特別引出権(SDR)を構成する通貨バスケットに組み込まれたばかりの時より0.88ポイント上昇した。大まかな統計によれば、現在、世界の70の中央銀行または通貨当局が人民元を外貨準備に組み込んだという。

人民元の決済での地位が向上——国際銀行間通信協会(SWIFT)が発表したデータでは、20年6月、金額の統計に基づくグローバル決済通貨ランキングで、人民元は5位に躍進し、シェアは1.76%だった。

中銀証券の管涛グローバルチーフエコノミストは、「人民元は今、周辺通貨から準基軸通貨へ、地域レベルの国際化した通貨から世界的な国際化した通貨へ、支払いや決済に用いる通貨から計算通貨へ、投融資に用いる通貨へと躍進している段階にある」と述べた。(編集KS)

「人民網日本語版」2020年8月25日

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