アフリカのコンゴ共和国の首都ブラザビルでは、中国コンゴアフリカ銀行のオフィスビルが現地のランドマークになっている。4年の発展期間を経て、この合弁銀行によって現地のより多くの人々が金融包摂の恩恵を享受すると同時に、同行は人民元建て貿易決済・送金業務の開拓に力を入れ、アフリカ中部エリアにおける人民元の応用と普及拡大を実現させた。新華社が伝えた。
同行のパトリック・オバンビー副頭取は、「2015年に営業を開始した中国コンゴアフリカ銀行は中国農業銀行がアフリカに初めて設立した合弁銀行であり、大規模な現地の商業銀行がなかったコンゴの局面を一新した」と述べた。
ここ数年、中国とアフリカの経済貿易協力が絶えず深化し、人民元は中国・アフリカの貿易投資に利便性がある、外貨準備構造を最適化する、為替リスクを予防する、金融システムを安定させるなど複数の優位性によって、アフリカ諸国にますます重視されている。これまでに、中国の金融機関はアフリカに支店10数店を設立した。中国はザンビアとの間で人民元建て決済システムも構築し、モロッコなど4ヶ国とは通貨互換協定を結んだ。
2018年には中国・アフリカ間の貿易額が2042億ドル(約21兆6084億円)に達し、前年比20%増加し、中国は10年連続でアフリカにとって最大の貿易パートナーになった。同行の張建羽頭取は、「中国・アフリカ貿易の急成長にともない、人民元以外での決済の割合も2015年の5%から18年は約12%に上昇した。人民元国際化プロセスはアフリカで大きな進展を遂げたが、中国アフリカ貿易の規模に比べればまだまだ大きな発展の余地がある」と述べた。
業界関係者は、「アフリカで人民元国際化を推進するには、政府レベルでの支援を拡大し、アフリカへの貿易投資と人民元の国際化を結びつけ、中国アフリカ金融協力を加速するなどの方面から着手すれば、より多くのアフリカの国と機関が人民元をより深く知るようになり、より信頼するようになり、より使いたいと思うようになる。しばらく時間が経てば、人民元がより多くのアフリカ諸国で準備通貨となり、決済通貨になるのは自然な流れだ」との見方を示した。
同行金融市場部の張誠部長は、「中国コンゴアフリカ銀行はアフリカ中部エリアで初めて銀聯カードを発行した銀行だ。中国コンゴアフリカ銀行発行の銀聯カードを通じて、顧客はコンゴで出し入れするCFAフランを使用して中国国内の銀聯に対応する銀行の機械から人民元現金を引き出したり、消費したりできる、中国国内で発行された銀聯カードも中国コンゴアフリカ銀行の機械で使用でき、CFAフランと人民元の自動両替が現実のものになった」と説明した。
また張部長は、「これまで、顧客は人民元を出し入れするときは往々にしてウエスタンユニオンを経由しなければならなかったが、今は銀聯カードルートで国境を越えた決済を行えば顧客は手数料を半分節約できるようになった」と述べた。
今年7月7日、第12回アフリカ連合アフリカ大陸自由貿易圏臨時首脳会議はアフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)が正式にスタートしたことを発表した。ケニアのナイロビ大学で国際経済学を教えるガイリション・イチヤラ氏によると、「AfCFTAは本当に実施されるまでまだ長い道のりを歩まなければならないが、人民元のアフリカにおける国際化には積極的な影響を与えることになる。規範化された市場は人民元の流通に良い制度的条件を作ってくれる」との見方を示した。
張頭取は、「中国アフリカ間はAfCFTAの建設及び『一帯一路』(the Belt and Road)イニシアティブを通じて、より緊密な経済貿易協力関係を構築することが期待され、これは中国の発展経験、適用できる技術、資金とアフリカの豊富な資源、人的資本とを結びつけ、双方の貿易・経済協力をさらに増強し、ひいてはアフリカにおける人民元の使用を拡大する上でプラスになる。またアフリカでの人民元国際化プロセスの推進にとって重要なチャンスでもある」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年8月27日