菅義偉内閣官房長官が14日、自民党の新総裁に選出された。安倍晋三首相の後任として次期首相に就任する。「ポスト安倍時代」において、菅政権はどのような試練に直面するのだろうか。中国中央テレビが伝えた。
■試練1:拡大し続けている感染症と「失速」した経済をどう救うか
日本では現在もなお新型コロナウイルスの感染が拡大している。特に「緊急事態宣言」解除後は、再拡大の様相を呈している。11月のインフルエンザシーズンには、新型コロナウイルスとインフルエンザによる二重の打撃を受けると懸念する専門家もいる。
日本経済は新型コロナの打撃と昨年の消費税率引き上げの影響で、第2四半期の成長率が年率換算で28.1%低下と第2次大戦以降最大の下げ幅を記録し、多数の中小企業が倒産し、失業率が高まり続けているうえ、少子高齢化のため成長力に乏しい。いかにして新型コロナ対策と同時に「失速」した日本経済を救うかが、菅政権にとって最重要課題となる。
■試練2:延期された東京五輪をどう救うか
新型コロナウイルスの影響で、東京五輪はすでに1年延期されたが、2021年に開催できるか否かも疑問視されている。東京五輪の開催という日本の決定自体が国民からは「金と労力の無駄遣い」扱いされているのに、今回の延期によってさらにコストが膨れ上がった。来年開催できた場合に、期待した効果を挙げて、これまでに投入したコストを回収できるか否かにも疑問符が付く。
■試練3:日米同盟と他国との関係のバランスをどう取るか
外交面で菅氏は安倍首相の既定の方針を全面的に継承し、日米同盟を基軸にすると同時に、アジア近隣国との関係も重視する。だが菅氏は日米同盟を確保したうえで、いかにして米国のたゆまぬプレッシャーに耐えるかという試練にも直面する。外交が得意分野ではない菅氏は、新内閣の外交が満足のいく結果を出せるか否かについても、慎重な舵取りが求められる。
■対中政策の行方は?
中国国際問題研究院国際戦略研究所の蘇暁暉副所長によると、菅氏は中日間の経済・貿易協力を非常に重視し、観光等の分野で中国と協力することも望んでいる。だが同時に、菅氏は依然として安全保障分野の協力を含む日米同盟関係を堅持している。今後日本は米国と一層歩調を合わせて「インド太平洋戦略」を推進し、米国の「お先棒」を担ぐ可能性が高い。こうした動きは中日関係に不確定性、さらには悪影響をもたらしかねない。(編集NA)
「人民網日本語版」2020年9月15日