「最も人材不足」の製造業 高給でも人が来ないのはなぜ?

人民網日本語版 2021年05月19日14:21

資料写真(撮影・陳張坤/写真提供は人民図片)。

人的資源・社会保障部(省)はこのほど、2021年第1四半期(1-3月)に全国で求人が応募を上回った「最も人材不足」の100職業ランキングを発表した。そこから見える最も明らかな特徴は、製造業は人材ニーズが旺盛で、新たにランク入りした29職業のうち20が製造業と直接関連するものだったという点だ。教育部の情報でも、中国経済の回復により製造業などの関連分野人材ニーズが旺盛になったという。「中国新聞週刊」が伝えた。

製造業の人材ニーズが旺盛

求人が応募を上回ったということは、雇用市場が供給不足の状態にあるということだ。「最も人材不足」はすなわち雇用機会がたくさんあることを意味する。

「最も人材不足」の100職業は、同期の求人数が166万5千人、応募数が60万9千人で、差し引きして105万6千人が不足し、不足数が初めて100万人の大台を突破した。このランキングが発表されるようになってから、過去最多となる。

最も目立った特徴は、製造業の人材ニーズが旺盛な勢いを保っていることだ。新たにランク入りした29職業のうち、7割近くに当たる20職業は製造業と直接関連があるものだった。

このうち自動車生産、チップ製造などに関連した職業の人材ニーズが目に見えて上昇した。例えば自動車生産ラインオペレーターなどは初めてトップ10に入り、自動車部品リサイクル技術者、電池製造技術者、プリント基板製造技術者、半導体チップ製造技術者、電子材料工学技術者などの職業が新たにランク入りした。

このほど人社部が行なった第1四半期の記者会見で、同部中国職業訓練技術指導センターの呉礼舵センター長は、「このことは中国の第1四半期に工業生産が安定して回復し、製造業が順調に成長した状況とほぼ一致する。人的資源市場の動きはある側面から同期の工業の成長ぶりを裏付けている」と述べた。

教育部の情報からも、エネルギー・動力、設備製造、交通・輸送、郵便・宅配便産業に関連する専攻の大学卒業生は就職が順調で、中国経済の回復において製造業など関連分野の人材ニーズが旺盛なことがわかる。

製造業の回復により人材ニーズが旺盛になったことは、短期的な現象か、それとも長期的な好調傾向のシグナルか。

北京交通運輸職業学院の馬伯夷院長は、「旺盛な求人ニーズは持続するはずだ。一部の局部的な産業局面の調整はあるだろうが、国の規模から考えて、製造業のニーズは今後も相当旺盛なはずだ」との見方を示した。

この見方は、中国の工業化プロセスの加速に伴い、製造業大国から製造業強国への転換の過程で、製造業が必ず中国の今後の経済発展を支えるようになり、さらには世界の中で絶えず自身を超越するための必然的なニーズになることも裏付けるものだ。

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中智諮詢人的資本データセンターの2020年「第一線ブルーカラー人材不足状況調査研究報告」によると、調査研究に参加した企業のうち、7割近くが人材不足の問題に直面していたという。労働力サイドが製造業で働きたがらないのは、製造業の賃金がものすごく安いからなのだろうか。現状はむしろ反対だ。

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