「最も人材不足」の製造業 高給でも人が来ないのはなぜ? (2)

人民網日本語版 2021年05月19日14:21

中国中央テレビ局(CCTV)のビジネスチャンネルの番組の中で、浙江省慈渓市にある企業の責任者は、「うちは去年の水準から、さらに15%-20%賃金を引き上げた。技術者を一人雇うのに、月収1万5千元(1元は約17.0円)出しても見つかるとは限らない」と話した。

諸曁市(県クラスの都市)は浙江省の工業の強い10県の1つである。4月21日、諸曁市の人力社保局は、企業26社とともに1千人を超えるポジションをひっさげて浙江理工大学で求人活動を行なった。最高で年収80万元というポジションもあり、人気のあるインターネット産業のポジションと比べても遜色ない条件だった。

月収1万元以上、60歳以上でもOK。こんな条件を掲げながら、それでも製造業に人が集まらない理由は何か。「報告」によれば、企業の90%は「ブルーカラーの人材不足の原因は、若い人が第一線のブルーカラーの仕事に就きたがらないことにある」と考えているという。

まず、技術で食べていくブルーカラーが社会的に十分尊重されているとはいえない。こうした差別的な見方は若者の中でさらに深刻だ。次に、「90後(1990年代生まれ)」は自由な働き方をより好み、工場で働くより、宅配便、食品デリバリー、オンライン配車などの新興サービス産業により強く引きつけられる。

「最も人材不足」100職業ランキングでは、宅配便の配達員が8位、ネット予約の配達員が15位だった。若い人の目には「ローレベルでかっこ悪い」と映る製造業は、「滑り止め」の選択肢になるしかない。

すでに19年には、中国の宅配便業務従事者が1千万人を突破し、飲食品デリバリー配達員の総数も700万人を突破した。20年の新型コロナウイルス感染症で、産業間の労働力の移転がさらに加速した。

馬氏は、「大学生の多くには卒業後に需要のあるポジションに行きたがらない、学ぼうとしないという傾向が確かにあり、大学院生の多くがデリバリー配達をしたり、運転代行をしたりという現象もみられる。これは実のところ、高等教育資源全体に対する浪費だ」と指摘した。

こうした現象が実際に社会で引き起こす問題は、働く人の仕事のポジション上の社会的・経済的待遇が十分に重視されないという問題だ。そのため国のレベルでこの問題を重視し、誘導することが必要であり、重視・誘導が多方面で体現されなければならない。

馬氏は、「これは一つのプロセスであり、職業教育を国がより重視するようになり、ブルーカラーの社会的な地位と待遇が調整され続ければ、ニーズのあるポジションに学生が行きたいと思うようになる状況が徐々に実現するだろう」との見方を示した。(編集KS)

「人民網日本語版」2021年5月19日

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