2020年に突如発生した新型コロナウイルスによる肺炎の影響により、「シェア社員」が一夜にして人気になった。企業の経営管理理念を変え、人々の伝統的な労使関係に対する意識をひっくり返した。これはきっかけであり、感染の終息後に人的資源市場で雇用形態が変化するのかもしれない。「北京日報」が伝えた。
企業の相互扶助で「シェア社員」概念が誕生
「シェア社員」の概念は阿里巴巴(アリババ)系のオフライン生鮮スーパーである盒馬鮮生と外食産業の西貝餐飲集団との協力に端を発する。感染症が発生すると、西貝の賈国龍会長は取材に答える中で、「感染症で2万人以上の社員が待機することになり、一ヶ月の支出が1億5千万元(約22億5千万円)となる。感染症がまだしばらく抑制されなければ、西貝としては3ヶ月以上は持ちこたえられない。今この瞬間にも、家にこもって外に出る気になれないでいる人々の間で、生鮮食品の宅配ニーズが爆発的に増加しており、盒馬鮮生は極めて大規模な人手不足に直面している」と述べた。盒馬北京の李衛平社長は大胆なアイディアを思いつき、「西貝などの外食産業で待機中の社員を借りて、盒馬で一時的に働いてもらうことができれば、当社の人手不足も解決されるし、感染状況の中で『経費がかかるばかりでもうけはゼロ』の外食産業人件費のコストを減らすことができるのではないか」と。2月3日、盒馬は雲海肴や青年餐庁と密かに交渉し、両社の社員が一時的に盒馬で働くように要請した。こうして「シェア社員」の概念が世に躍り出た。
窮余の策が労使関係を変えることはない
「シェア社員」の性質について、人的資源・社会保障部(省)は次のような見方を示した。現在、一部の人手不足の企業とまだ業務が再開していない企業との間で「シェア社員」により、人手の余剰と不足の調整が行われ、人的資源の配置効率をある程度高めた。しかし「シェア社員」がこれまでの企業・機関と労働者との間の労使関係を変えることはなく、本来の雇用主は労働者の賃金・賞与、社会保険といった権利を保障しなければならない。