一部の伝統的産業にとって、「おうち経済」は一種の「破壊的イノベーション」だ。これまで多くの人が集まっていた伝統的な小売、外食、観光、ジム、教育などの業界が受ける圧力が日に日に増大している。しかしそれによって人々の消費ニーズが抑制されることはなく、消費と生活のスタイルが再構築された。こうした転換は企業のモデル転換に向けた新たな成長の可能性を切り開いた。小売企業はデジタル化を方向性とするモデル転換を通じて、オフラインの単一ルートモデルから全ルート型モデルへと転換し、製品を中心にしたモデルから消費者が中心のモデルへと転換した。テレワーク、遠隔医療、オンライン教育といった新興産業の発展が今や急成長の段階に入っている。
しかし「おうち経済」の発展は挑戦にも直面している。第1に、企業はユーザーの体験と効率との矛盾のバランスを取り、消費者が家にいながら優れたサービスを受けられるようになり、社員のテレワークもスムーズに協働できるようにしなければならない。これと同時に、ビジネスの効率と価値についても考えなければならない。第2に、企業は協力不足による効率の低下を避けなければならない。小売やEC企業のフロントエンドである配送と引渡しには、バックエンドである供給チェーンと生産プロセスがペースを合わせて協力する必要がある。個人のテレワークには、部門、会社、協力パートナーなどの協力と支持が必要だ。物理的空間が分割され広い範囲に分布するようになったことは、「おうち経済」のバックエンドにあるチェーンシステムにより厳しい協力の要求を突きつけたといえる。
クラウドコンピューティング、モノのインターネット(IoT)、ロボット、人工知能(AI)などの技術の応用が日に日に成熟し、効率を制約する要因が徐々に消滅するのにともなって、「おうち経済」もこれからさらに歓迎されるようになるだろう。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年3月4日