蘭州大学草地農業生態系国家重点実験室の賀金生教授率いるチームがリードした研究により、気候変動が高原寒冷草地の植物成長に与える影響のメカニズムが明らかになった。「早めに速く成長し、早く終わる」という。人民日報が伝えた。
賀氏によると、1980年から2014年までの間、温暖化により、高原寒冷草地の植物の成長が早まり、ペースが上がった。成長に最も適した時期が繰り上げられた。青蔵高原(チベット高原)の春の気温上昇により、植物の生物季節が繰り上げられ、より早めに成長する情況が生じている。しかし気候変動は1年全体の生物量に影響を及ぼさず、草は従来どおりの量になる。植物の成長時期が繰り上げられ、中期の成長ペースが上がり、早めに速く成長する。これにより消耗する土壌の水分が増え、さらに成長シーズンである7、8月の降水量の減少が加わり、後期の土壌の水分の不足が植物に反作用し、その成長に最も適した時期を短縮してしまう。そのため1年の異なる季節の生物量の生産に変化が生じる。春の生物量の生産が増加し、秋の生物量の生産が減少することになる。
説明によると、青蔵高原はこの50年にわたり世界平均の2倍の気温上昇、顕著な降水の変化を迎えた。これは長期的で急速な気候変動が高原寒冷草地の植物の成長への影響を明らかにすることは、高原寒冷生態系における炭素・水・エネルギーのバランス及び季節の動的情況への理解を深めることと関連するだけでなく、高原牧民の生産・生活、多くの野生動物の生存・保護とも密接に関連する。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年2月21日