自然資源部(省)中国地質調査局は体系的な調査を踏まえた上で、このほど「澳門(マカオ)特別行政区海域地質資源・環境図集」を作成した。マカオ特別行政区における海域の地質資源開発、生態環境保護、空間の拡大・利用に的を絞った認知と提案を行った。科技日報が伝えた。
国務院が2015年に公開した「中華人民共和国マカオ特別行政区行政区域図」は、マカオの85平方キロメートルの海域管轄権を明確にし、マカオの発展空間を大幅に拡大した。しかし長期にわたり、マカオの海域では体系的な地質調査活動が行われておらず、全体的な地質資源や海洋環境の基礎的資料が不足していた。海洋資源の開発利用、環境保護、科学的な管理の需要を支えることができなかった。「粤港澳大湾区」(広州、仏山、肇慶、 深セン、東莞、恵州、珠海、中山、江門の9市と香港、澳門両特別行政区によって構成される都市圏)建設の戦略的需要に基づき、中国地質調査局は2018年にマカオの海域でさまざまな手段による多学科総合的海洋地質調査を行い、初めてマカオの海域における体系的な海洋地質調査を行った。水、海底、地層に関する多くの重要な資源環境データを取得した。調査は同局に所属する広州海洋地質調査局が実際に実施した。前後して調査船4隻を使い、累計227キロメートルの総合地球物理測量、6670キロメートルのマルチビーム測深、151カ所の海域地質試料採取、120カ所の海水試料採取、30カ所のCTD観測、2カ所の定点海流観測、5カ所の地質浅層掘削などを行った。関連試料の試験を展開し、初めて「マカオ特別行政区海域地質資源・環境図集」を作成した。
同図集には「序図」「利用可能な地質資源及び開発の提案」「重視すべき環境問題及び修復の提案」「空間拡張の土木地質学条件及び提案」という4大カテゴリの24枚の写真が含まれる。海洋資源の開発利用と保護、海洋生態環境の保護と修復、海洋関連重大プロジェクトの建設などに関する認知と提案を行った。
調査によりマカオの海域及び海岸体の地質資源の特徴と潜在力がほぼ明らかになった。海岸線資源は76.08キロメートル、浅瀬資源は約55平方キロメートルで、独特な花崗岩地形と海岸地質観光資源、及び予想資源量約7850万立方メートルに及ぶ砂がある。これを踏まえた上で人工海岸線の最適化開発と自然海岸線の保護・修復の強化、浅瀬の科学的な計画と合理的な利用といった、海洋資源保護・開発・利用の対策・提案を打ち出した。マカオの海域の生態地質環境の状況を大まかに把握し、海洋整体環境の保護・修復の重要な根拠を築いた。マカオの空間拡張プロジェクトの地質条件をほぼ明らかにし、海洋関連重大プロジェクトの建設の適合性評価に基礎的な支えを提供した。調査によると、マカオ水道沿岸の基岩は深さが浅く、柔らかい土の層が薄いため、埋立地、海を跨ぐルートといった重大プロジェクトの建設に適している。海域は沖積物が多く、深水港の航路の建設に適していない。(編集YF)
「人民網日本語版」2019年12月20日