中国中央経済政策会議 2020年の生活に関わる6つの見どころとは?

人民網日本語版 2019年12月16日13:40

民生の保障・改善は経済、社会発展の出発点と着地点であり、小康社会(ややゆとりのある社会)の全面的な完成のための中心事項となる。今月10日から12日の3日間にわたり北京で開催された「中央経済政策会議」で、2020年は小康社会の全面的な完成と「第13次5カ年計画(2016~20年)」の総仕上げの年だと提起された。またこの会議では人々が関心を抱く話題性の高い問題について、数多くの民生対策が打ち出された。新華社が伝えた。

貧困脱却の難関攻略

会議では、貧困脱却の難関攻略の任務を計画通りに成し遂げるため、集中的に人員を動員し、深刻な貧困を撲滅するために、「三区三州(三区:チベット自治区、青海・四川・雲南・甘粛4省のチベット族居住区、新疆ウイグル自治区のカシュガル地区・ホータン地区・クズルスキルギス自治州・アクス地区。三州:四川省の涼山州、雲南省の怒江州、甘粛省の臨夏州)」など深刻な貧困地域に焦点を合わせて重点的に政策を制定し、資金を投じ、産業による貧困者支援や貧困脱却のための移転などの対策を実施して、貧困人口を確実に減らし、貧困脱却でさらなる成果を挙げていくことが指摘された。

中国人民大学中国貧困者支援研究院の汪三貴院長は、「深刻な貧困撲滅という面で、最も困難な地域や層は、安定した増収や『両不愁三保障』(衣食の愁いなく、義務教育と基本医療、住宅の安全を保障する)などの面で、難点やリスクポイントがある。そのため、さらに方向性を絞った対策を講じて、貧困脱却の難関攻略任務が計画通りに成し遂げられるようにする必要がある。制度の優位性を発揮させるほか、深刻な貧困地域や貧困人口の内生的原動力を育成し、貧困脱却の持続性を確保することが必要だ」との見方を示す。

環境汚染対策

会議では、環境汚染対策にしっかりとした取り組みをし、方向性を変えず、力を弱めず、的を絞り、科学的で、法に基づいた環境改善策を講じて、生態環境の質が継続的に好転するよう推進していくことが指摘された。また、青い空やきれいな水、きれいな土を守るためにしっかりとした取り組みをし、関連のガバナンスメカニズムを整え、汚染源の管理やコントロールすることを指摘した。

中国国際経済交流センター学術委員会の委員・王軍氏は、「会議は、的を絞り、科学的で、法律に基づいているということが、一部の地域が実際の取り組みの過程で直面している新たな問題、新たな状況に対する方向性を絞った対策であることを強調していた。中央政府が汚染撲滅に取り組む中で一層科学的な知識を持ち、方向性が一層明確になり、一層有効な対策を講じることができるようになっていることを示している」とする。

基本保障

会議では、民生、特に困難な層が基本的な生活の保障を得て、生活を改善できるように保障していくことが指摘された。また、政府が役割を果たして基本的なものを保証し、あまねく恩恵があり、基本的なベースラインが守られていることを重視し、大事な時期において、困難な層の基本的生活を保障していくことが指摘された。

中国社会保障学会の鄭功成会長は、「経済が下振れ圧力に直面する中、政府は特に役割を果たして基本的民生を保障し、困難な層の基本的な生活に関心を払わなければならない。会議の目標、方向性は非常に明確で、年金を規定の期日に満額支給し、誰も仕事がない世帯をなくし、出稼ぎ労働者の子供の教育難の問題を効果的に解決するといったような基本的な生活のベースラインを守り、民生をめぐるウィークポイントを補強するのが目的だ」と説明する。

医療・教育・高齢者

会議では、市場供給の柔軟性という優位性を発揮し、医療・高齢者などの民生サービスの分野の市場化改革や対内・対外開放を深化させ、多種多様な供給能力を強化し、社会的効果と経済的効果を一致させていくことが指摘された。また、「高齢者と就学前児童」をめぐる問題を重視して、解決に取り組み、高齢者サービス体系の構築を加速させ、民間企業や組織が託児サービスを発展させるようサポートし、旅行業の高い品質の発展、スポーツ・ヘルスケア産業の市場化発展を促進していくことが指摘された。

中国国務院発展研究センターマクロ経済研究部の副研究員・李承健氏は、「改革開放を通して、市場参入をさらに緩和し、民生の分野のウィークポイント補強を加速させ、生活サービス業の高い品質で多様化した高度化を推進する必要がある。それにより、国民の良い生活に対するニーズを満たすことができるほか、ニーズのポテンシャルを掘り起こし、新しい経済成長源を生み出すことができる」との見方を示す。

住宅

会議では、大都市の困難な層に対する住宅保障業務、都市のリニューアルや在庫となっている住宅のリフォームを強化し、都市部の古い団地のリニューアルを実施し、借家を大々的に発展させていくことが強調された。そして、住宅は住むためのもので、投機のためのものではないという位置付けを堅持し、都市の状況に応じた対策、地価、不動産価格を安定させることで見通しをよくする長期にわたる効果的な管理抑制メカニズムを全面的に実施して、不動産市場の安定して、健全な発展を促進していくことが指摘された。

中国社会科学院都市・競争力研究センターの倪鵬飛センター長は、「不動産投機を抑制するというのは、投機を抑制するだけでなく、住宅が住むために使われることをサポートし、住民の住宅に対する硬直的需要や改善の需要、新市民の住宅の需要を守ることができる。都市の状況に応じた対策や、地価と不動産価格を安定させることで見通しをよくする対策から、政府が的を絞って抑制に取り組んでいることと、少しずつ深化する制度改革が共に、不動産市場の安定して、健全は発展を促進するだろう」との見方を示す。

食糧

会議では、農業生産の供給を保障し、農業の供給側の構造改革を加速させ、農民の増収や農村の振興を牽引していくことが指摘された。そして、養豚の回復を加速させ、安定して供給を確保して、価格を安定させていくことが指摘された。

国務院発展研究センター農村経済研究部の叶興慶部長は、「今年、果物の価格が安定せず、豚肉が高騰し、重要な農産品の生産能力を安定させることの重要性が際立った。それは、農業の供給側の構造改革を推進するための主な目標の一つになるだろう。今後は、安定した供給を確保して価格を安定させるために、モデル転換と高度化の促進と組み合わせて、自然にやさしく、健康的で、一定の規模があり、技術にウェイトを置いた生産能力を向上させることで、小規模生産者の廃業などの生産能力に影響を与える問題を解決し、農業発展の質と効果を向上させ続ける必要がある」との見方を示す。(編集KN)

「人民網日本語版」2019年12月16日

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