国務院弁公庁がこのほど通達した「流通を加速発展させ商業消費を促進することに関する意見」は、夜間の商業と市場を活性化することを打ち出した。18歳から35歳までの若者1977人に対して行った調査によれば、回答者の59.8%が、「毎週2回以上夜間消費をする」と答え、67.6%が、「夜間消費の発展は精神文化的な生活が豊かになったことの現れ」と考えており、74.0%が、「未来の夜間消費市場の発展を楽観視する」と予想したという。「中国青年報」が伝えた。
回答者のうち、一線都市の人が35.3%を占め、二線都市は45.8%、三線・四線都市は16.8%、鎮または県の中心地が1.8%、農村が0.3%だった。
回答者の59.8%「毎週2回以上夜間消費をする」
馬氷瑩さん(22)は今は深センで暮らしており、ほぼ毎日夜間消費をする。「夜に両親と一緒に散歩に出たり公園で走ったりして、外で食べ物や飲み物を買う時もあれば、友達と出かけて食事をする時もあり、午後から街をぶらぶらし始めて夜になり、食事の後で甘いものを食べることもある」という。
広告会社でインターンをしている北京の大学生・楊洋さんは、午後6時過ぎに退社すると、よくいろいろな夜間消費をする。「大体1週間に1回か2回、たとえば夜に夜食を食べたり、ジムに行って体を動かしたり、友達と集まったり、カラオケに行ったりする。火鍋店で夜にタイムセールをするところがあり、そこにも行く」という。
調査によれば、回答者の59.8%が「毎週2回以上夜間消費をする」といい、このうちの9.1%は、「ほぼ毎日」と答えた。映画館や劇場(55.4%)、軽食街や屋台の軽食(53.8%)がよく行く夜間消費の場所で、このほかコンビニ(43.7%)、ショッピングセンター(38.9%)、レストラン(37.9%)、カラオケ・ダンスホール(35.9%)などが挙がった。
楊さんは、「若い人の中には退社時間が遅い人がいる。今は深夜でも食べ物を売っているところがあるので、とても便利になった。夜間消費は生活を豊かにしてくれる。特にサラリーマンにとっては、自分の時間を過ごせるのは夜だけという場合が多い。リラックスしたり楽しんだりできるこういった場所は、ストレスを軽減し、心を整える上で非常に重要なものだ」と述べた。
調査によると、若者が夜間消費を行う主な目的は、「心身をリラックスさせ、疲れを軽減する」が最多で70.7%に上り、以下、「心を落ち着け、ストレスを解消する」(48.9%)、「付き合い、新しい友人との出会い」(43.8%)、「ナイトライフを豊かにし、自分の時間を充実させる」(43.8%)が続いた。
調査によると、回答者の67.6%が、「夜間消費の発展は精神文化的な生活が豊かになったことの現れ」とし、61.6%が、「夜間消費の発展は生活リズムが早くなった結果」とし、48.1%が、「経済発展の産物」といい、47.5%が、「生活習慣やライフスタイルの変化を反映するもの」との見方を示した。
天津財経大学経済学院の叢屹教授は、「ナイトタイムエコノミー(夜間経済)と夜間消費の発展は、一方では人々の消費習慣によって決まり、また一方では現地の人々の所得水準によって決まる。ナイトタイムエコノミーは1980年代には『8時間以外』と呼ばれていた。仕事が終わってくつろぐ時間ということだ。南方と北方では消費習慣に違いがあり、広東省では夜に出かけて夜食を食べ、深夜になって家に帰るのはよくみられる光景だ。北方では一般的に夏になると夜の活動が増える。若い人にとってみれば、夜の付き合いは基本的ニーズでもある。夜の付き合いには所得が影響を及ぼすことがはっきりしている。結婚したばかり、住宅ローンがある、子供の養育費・教育費がかかるなどの圧力があれば、夜間消費は少なくなるだろう」と分析した。
調査では、回答者の74.0%が、「未来の夜間消費市場を楽観視する」と予想した。比較分析してみてわかったのは、一線都市の消費者は「楽観視する」人の割合が最も高く76.6%に達したことだ。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年12月13日