海外生産比率が過去最高 日本は生産効率アップの挑戦に直面

人民網日本語版 2019年12月10日10:57

日本の国際協力銀行(JBIC)がこのほど発表した「わが国製造業企業の海外事業展開に関する調査報告」によると、2018年度に日系企業の海外生産量が日本企業の生産総量に占める割合は36.8%に上り、1989年の調査開始以来の最高を更新した。同時に、海外売上高が日本企業の総売上高に占める割合は38.7%、海外収益が営業総収益に占める割合は36.4%となり、いずれも歴代の数字の中で高い水準を保った。「経済日報」が伝えた。

今回の調査対象は海外に現地法人企業3社以上を擁する日本の企業グループで、1千社以上に上り、日本の製造業の海外移転の状況を比較的全面的に反映している。調査によれば、01年の日本製造業の海外生産の割合は25%弱だったが、ここ数年は海外依存度が上昇を続ける。業界分類別にみると、繊維・アパレル業界の海外生産比率が55%、自動車業界は44.8%、電機・電子業界は42.5%だ。海外の収益をみると、自動車業界は海外収益の占める割合が46.2%、電機・電子業界は33.5%。円レート、海外のエネルギー価格や原材料価格など各要因の影響を受けて、収益率は17年よりやや低下したが、それでもこれまでの中では高水準を保った。

日本の経済産業省の最新の「海外事業活動基本調査」をみると、18年7月末現在、日本国内のすべての法人を基数とした製造業の海外生産比率は25.4%、年増加率は1.6%で、過去最高を更新した。このうち車両などの輸送用機械器具の海外生産比率は47.2%、情報通信機器は29.3%に達した。海外企業の総売上高は288兆1千億円に達して前年同期比11.8%増加し、利益は9兆9千億円で同9.5%増加した。同調査によれば、日本の海外投資法人で対中投資を行うところは30.2%を占めた。海外投資目的地についての考えを聞くと、今後3年間はインド、中国、東南アジアが引き続き日本企業の主な投資先になる見込みであることがわかった。

日本製造業の発展を縦断的にみると、海外生産比率が上昇を続けているものの、80-90年代の日本企業の海外投資生産の動きと最近の製造業の海外移転の動きとには明らかな違いがある。80年代初め、日本は対外貿易黒字を解消するため、自動車や電機製品などの製造業を米国と北米地域に移転させた。同時にコストを引き下げ、国際競争力を引き上げ、東南アジアや中国などに大量の投資をするようになったことから、日本社会には「国内の産業が空洞化するのではないか」との懸念が沸き起こった。三菱UFJモルガン・スタンレー証券がアジア・太平洋20ヶ国・地域の工業製品の原価を比較したところ、海外生産すれば日本国内で生産するよりコストが20-25%ほど抑えられることがわかり、12年は平均26%、17年は平均21.4%のコスト削減になったという。よって日本国内市場に出回る消費財も海外で大量に生産して日本に回帰して販売されるようになった。同省のまとめた統計では、ここ数年、こうした回帰した製品の売上高が毎年1千億ドル(1ドルは約108.6円)に上るという。

00年以降、日本の海外投資にまた新たな変化がみられるようになった。まず、中国などアジアの消費市場が拡大するのにともない、日本企業が単純な加工・生産や中継貿易から、現地市場に向き合った生産・販売へと発展したことだ。次に、日本国内で労働力人口が減少したため、日本の製造業が海外での発展ルート拡大を追求せざるを得なくなったことだ。

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