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【イラストで知ろう!イマドキ中国】文武両道求められる中国の高校入試

第6回 

人民網日本語版 2019年06月21日09:36

受験シーズンというと、日本の場合は毎年1月下旬から2月末にかけた寒い時期だが、中国の受験シーズンと言えば6月。すでに夏入りして暑さも厳しくなり始めているこの時期に大学や高校の受験が行われる。大学入試の「高考」については、中国をちょっと知っている人ならば、その「科挙」を彷彿とさせる厳しさについても知っているかもしれない。しかし実は高校入試にあたる「中考」もまた日本とはかなり異なっていることを知っているだろうか?今回はその「中考」について紹介していこう。人民網が伝えた。

良い大学に行くために、良い高校に行こう

厳しく過酷な大学入試を勝ち抜くためには、いわゆる「良い高校」に入学する必要があり、そのため高校入試である「中考」もまた重要となってくる。各省・市によって実施時期は多少異なるが、毎年6月中旬から下旬にかけて実施される「中考」は日本の「公立高校入試」に相当し、省や市、または区ごとに統一された入試問題を受けて、その点数に基づき、高校(普通高級中学、通称「高中」)または職業高校に相当する職業高級中学(通称「職高」)や中等専業学校(通称「中専」)、技工学校(通称「技校」)などに進学する。また中学の卒業証書を取得するためにもこのテストを受けなければならない。

近年、中国でも私立高校やインターナショナルスクールなど他の選択肢もどんどん増えてきているが、中国の大学へ進学を目指す場合は、「中考」を経て高校に進学し、「高考」で大学へという流れになる。

受験科目や試験時間は?

日本の公立入試は国語、英語、数学、理科、社会という5科目が一般的。一方の中国の中考は北京市を例に挙げると、必須科目は国語、数学、英語、体育の4科目となっており、このほかに選択科目として歴史、地理、道徳・法治、生物・化学、物理から3科目を選ばなければならない。その他の地域でも5~7科目のところがほとんどだ。

受験科目の得点比重を見比べてみると、国語と数学、英語の得点ウェイトが高めに設定されており、英語に関しては筆記問題のほかにヒアリング問題を取り入れている地域も少なくない。総合得点は各地域によってまちまちで、北京市は580点だが、700~800点、なかには1000点を超える地域もある。

受験科目の数もさることながら、その試験時間も極めて長い。日本の場合は45~60分ほどだが、今年の北京市を例に挙げると、国語が150分、数学120分、英語は90分(筆記試験のみ、ヒヤリングは別日程で実施済み)で、その他選択科目はそれぞれ90分となっている。まさに、体力勝負と言いたくなるような試験時間だ。

勉強だけじゃダメ!体育テストもある高校入試

また受験科目に体育の実技テストがあることも日本の高校入試と大きく異なる点と言えるかもしれない。体育テストは毎年3月から5月にかけて実施される。そのテスト内容もまた各地で異なるが、今年の北京市を例に挙げると、男子は1000メートル走が、女子は800メートル走がそれぞれ必須項目となっており、このほかにそれぞれ2つの選択項目を選択しなければならない。

このように日本と比べるとかなりハードな「中考」。中学3年生になると、放課後の補修や模擬テストはもちろんのこと、体育テストの特訓も行われるほか、保護者会も頻繁に開かれ、生徒だけでなく保護者も全力投球で臨むことになる。今年の北京市の「中考」は6月24日から26日まで。決戦の日はまもなくだ。 (文・イラスト・玄番登史江)

イラストで知ろう!イマドキ中国

人民網ではもっと身近なスタイルで今どきの中国を読者の皆さんに知ってもらうため、「つるにはまるまるむし爺さん」と「へのへのもへ郎」、「へめへめくつ美」の3人が流行語やカルチャー、時事問題など幅広いジャンルにおける「イマドキ」を紹介。中国ってこんな国なんだ!と興味を抱き、理解を深めるきっかけにしてみてください。

「人民網日本語版」2019年6月21日

  

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