「教育部と文化・観光部からの警告を読んで、米国ビザの申請が少し心配になった」と話す大学3年生の林雪儿さんは、もともと米国の大学院で広報学(Public Relations)を学ぶ計画だったが、このところ悩んでいるという。中国青年報が伝えた。
実際、先日教育部が「2019年第1号留学注意喚起」を発表してからというもの、留学先の選択が再び話題として注目を集めており、米国留学を計画していた学生たちの多くが林さんと同じように戸惑いを隠せない。
いくつかの人気が高い留学先国についてみると、各要素を総合的に分析した場合、今後当面の間は、中国人留学生の米国留学熱は下がることが予想されている。一方、英国や日本への留学熱は上昇し、ドイツやフランスは横ばいになるとみられている。
〇米国 「個人の安全について若干心配」
米国は長い間、中国人留学生の間で最も人気が高い留学目的国の一つだった。
教育機関の「新東方」が5月に発表した「2019年中国留学白書」によると、この5年間に留学した人々の実際の留学目的国のうち、米国の割合が最も高く25%だった。今年についてみると、米国への留学を考えている中国人学生の割合は43%と、過去5年間で最低レベルになっている。2015年にはこの割合は51%だった。
教育機関の「啓徳」が今年3月に発表した「2019年中国学生の留学意向調査報告」によると、「最も行きたい留学先国」として米国を挙げた人の割合は17.05%で、2015年より10.65%低下した。
林さんは、「留学仲介機関や米国の各学校を通じて確認したところ、学校側はいずれも学生募集に制限を設けないと聞いた。そのため学校に関して心配はしていないが、米国政府や個人の安全をめぐる問題について、いささか心配している。最近は米国の銃規制改正をめぐる問題にも注意するようになった」と話す。
〇英国 「爆発的増加」が現実となる見通し
新東方の「2019年中国留学白書」によると、将来の留学目的国として英国を考える学生の割合は大幅に上昇して41%に達し、「米国を凌ぐ可能性が高い」と見なされている。啓徳の「2019年中国学生の留学意向調査報告」では、2019年は、英国を留学目的先国のトップに挙げる学生の割合は米国を上回ると予測されている。