過去にはテレビドラマ「永不瞑目」や「黒氷」、最近では映画「◆公河行動」(◆はさんずいに眉、邦題:メコン大作戦)や「非凡任務」(邦題:潜入捜査)まで、麻薬取締を題材にした映画・テレビドラマ作品は常に高い人気を博してきた。現在放送されている「破氷行動」(The Thunder)も優れた作品だ。このドラマは、2013年に広東省で展開された一連の麻薬取締作戦である「雷霆掃毒」において実際に起きた事件を題材にしており、劇中の複雑な人間関係や錯綜して見通しのつかないストーリー展開などが、多くのネットユーザーから高く評価されている。黄景瑜(ホアン・ジンユー)や呉剛(ウー・ガン)、王勁松(ワン・ジンソン)、任達華(サイモン・ヤム)などが出演しており、現在、中国中央テレビ第8チャンネルと動画サイトの愛奇芸で放送されている。羊城晩報が伝えた。
実際の事件を元にドラマ化 本物の拳銃を使ったロケ
視聴者の間で2年前のドラマ「人民の名義」(邦題:人民の名の下に)と同列扱いで論じられているその理由は、「破氷行動」が「人民の名義」と同様に警察や検察、裁判所の内部におそらく存在する「悪性腫瘍」と向き合ったからだ。
2013年に広東省で展開された麻薬取締作戦において、「アジア一の麻薬製造村」と呼ばれていた博社村の掃討は作戦全体を代表する戦いだった。この村の麻薬の製造・密売犯罪には「家族経営、産業化経営、地方幹部による保護」という特徴があり、犯罪者らは長期的にわたって犯罪行為に血道を上げ、捜査の手から逃れ、ひいては集団暴力で公務執行を妨害し、したい放題の状況にあった。「破氷行動」はこの事件の実際の状況を再現している。ドラマではその始まりで、警察官の李飛が塔寨村に乗り込んで麻薬の売人を捕らえるが、村民らは警察を包囲。ある村民は警察が手に入れていた証拠を処分するという暴挙に出る。このエピソードは、この戦いが困難に満ちた「持久戦」になり、麻薬の売人の逮捕と警察内内通者の一掃という2つの任務の重さとその道のりの遠さを予感させている。
ドラマの撮影チームは広州市や中山市などの公安局や警察学校でロケを行った。ドラマの中で目玉となる1000人を逮捕するシーンの撮影には、本物の警察官1400人以上を動員。早朝4時に作戦を開始した実際の状況を再現するために、撮影チームの1000人以上は20日間以上にわたって夜通しで撮影を行った。また実際の作戦が行われた当時、交通が不便で、道が狭く、建物が密集し、目標が判別しにくかった村の状況を再現するために、多くのシーンを村の集落にセットを組んでロケ撮影したため、撮影はさらに困難さを増したという。