中国第35次南極科学観測隊は無事に観測任務を終え、極地観測船「雪竜」号に乗り12日に上海に帰還した。科学観測隊は南極の厳しい自然環境の試練を乗り越え、雪竜号の氷山衝突後のさまざまな困難を乗り越え、科学観測と総合保障などの面で多くの成果を上げている。その中に、ロス海新基地において、保護区選択・区画調査を終え、191点の試料を採取し、353件の観測データ、190ギガバイトの映像観測データを入手したことが含まれている。科技日報が伝えた。
今回の科学観測隊は349人からなっており、長城基地、中山基地、泰山基地、崑崙基地、ロス海新基地などで総合的観測活動を行った。さらに南極東部の氷床で航空地球物理リモートセンシング観測を行い、南極海のアムンゼン海で海洋総合調査を実施した。
科学観測隊員は長城基地で生態環境観測、氷河観測、通常気象観測などのプロジェクトを行った。地震観測所の改修工事に取り組み、海洋基地レーダー型潮位観測システムを設置した。土壌、水、動植物標本、岩石、エアロゲルなどの科学試料を200キログラム近く採取した。一方で極地立法調査研究などの社会科学類プロジェクトを展開した。中山基地では、中国初の極地フルオレセインナトリウムドプラーレーザーレーダー観測システムの建設と設備の調整、実装を行った。試運転期間中に約51時間の有効データを入手し、オリジナルデータ量は約2.5ギガバイトに達した。中国初となる氷下基岩掘削装置による試験掘削を完遂し、氷下基岩岩心試料を初めて採取した。南極海の観測において、偏西風帯の海域で中国初の観測ブイを設置した。現地の厳しい海の試練を乗り越え、2カ月で約1000件のデータを入手した。中国が独自開発した極地自律型無人潜水機(AUV)を初めて投入・回収した。
中国第35次南極科学観測隊と雪竜号は昨年11月2日に上海を出発した。偏西風帯を4回通過し、131日をかけ計3万800カイリ以上(うち流氷エリアは2102カイリ)航行した。(編集YF)
「人民網日本語版」2019年3月13日