陝西省の省都・西安市で建設中の地下鉄5号線の工事現場で、秦代(紀元前221-206年)の三秦の一人である章邯が収める都・廃丘の遺跡が見つかった。遺跡と文物を保護するために、地下鉄路線図が変更される可能性がある。人民日報が伝えた。
陝西省文物局がこのほど発表した上記のニュースが大きな話題となっている。「西安の場合、どこを掘っても遺跡が出て来る」とユニークな書き込みをするネットユーザーもいるほどだ。実際、西安市の地下鉄2号線工事の際にも、文物200点以上が発見され、地下鉄南北中軸線の途中には西漢から明の時代までの文物ポイントが57ヶ所あり、「歴史ロード」と呼ばれている。地下鉄の工事現場のほか、建築工事現場で文物が発見されたというニュースもしばしば報じられている。
西安市は悠久の歴史と文化で名高い古都で、中国の歴代13王朝の都が置かれていた。陝西省における移転が許可されない文物は4万9058ヶ所で、そのうち世界文化遺産が3ヶ所、全国重点文化財保護単位が235ヶ所となっている。
文物を保護しながら、都市化も進めていくため、西安市では積極的な取り組みを行っている。同市の主要な市区の地下文物は、古墳と遺跡がメインとなっている。文物が埋まっている地層は、基本的に地下5メートル以上の場所にあり、それを避けるために、地下鉄工事は地下15-20メートルを掘り進む。工事の妨げになることを避けるため、文物当局は通常、地下鉄工事が始まる前に、地下鉄沿線で文物調査や考古学発掘調査を実施する。
例えば、2018年に試運行が始まった西安地下鉄4号線の沿線にはたくさんの文物保護ポイントがあり、唐大明宮遺跡や隋唐長安城遺跡、西安事変旧跡、西安城壁遺跡、大雁塔などの文化財保護単位を避ける形で、地下鉄の線路設計、工事が行われた。また、建設業者は、所在地の歴史文化と融合して駅の壁に、漢の時代をテーマにした絵やランタンをテーマにした絵、歴史ある池・曲江をテーマにした絵など、中国の伝統文化が詰まった壁画を描いている。(編集KN)
「人民網日本語版」2019年3月13日