地球は20年前より緑が増えており、中国とインドが拡大分の3分の1を占めた。アメリカ航空宇宙局(NASA)はこのほど、最新の研究を紹介した。NASAによると、人口が密集する国は過度な開発により土地を劣化させがちだが、中国は森林保護・拡大の計画と温暖化対策の措置を講じており、参考にできる模範となった。この結論が発表されると、ネットユーザーから「いいね」が集まった。NASAによる世界がより緑が増えた衛星写真のほか、中国のクブチ砂漠の砂漠化対策による変化を示す衛星写真もネット上で注目されている。科技日報が伝えた。
中国は気候変動に対応するなか、排出削減と共にカーボンシンクの増加を重視しているのはなぜだろうか。クブチ砂漠の砂漠化対策の代表者、億利集団の王文彪会長は「1ムー(約0.067ヘクタール)の木を植えることで、二酸化炭素を毎日67キロ吸収し、酸素を49キロ放出する。1年で養うことのできる水源は500トン以上にのぼる。世界の砂漠化面積は少なく見積もっても3600万平方キロメートルあり、ポーランドの面積の百倍に相当する。砂漠化対策、砂漠の緑化は気候変動に対応する最も重要な手段の一つだ。森林のカーボンシンク、水源の育成に貢献する、カーボンシンクの最良の担い手だ」と述べた。
30年にわたり各級党委員会・政府の力強い支持を受け、億利集団による砂漠緑化面積は、6000平方キロメートル以上にのぼる。炭素隔離は1540万トン、水源涵養は243億7600万立方メートル、酸素放出量は1830万トン。
国連は2017年に発表した世界初の生態資産報告書の中で、億利集団はクブチ砂漠の砂漠化対策で5000億元(約8兆1600億円)以上の生態資産を創出し、10万2000人の貧困脱却をけん引したと指摘した。中国林業科学研究院などの専門家は2018年、億利集団による30年にわたるクブチ砂漠の砂漠化対策の成果に関する報告書を発表したが、それに用いた権威あるデータにはNASAのMODIS衛星のものが含まれる。結論は国連が発表した報告書とほぼ一致した。
億利集団は30年にわたり、創意あふれる模索を行ってきた。砂漠は負の資産ではなく、有機野菜・果物を生産し、太陽エネルギーを生むことができる。現地の革新的な低侵襲気流植樹法などの技術を用い、植樹による砂漠化対策の効率を高め、コストを50%以上も削減した。砂漠化対策と貧困者支援はグリーンな発展を遂げると同時に、現地の雇用と貧困脱却をけん引することができる。
2014年4月22日の「アースデイ」において、クブチ砂漠億利生態ガバナンスエリアは、国連によって「世界生態経済実証エリア」に指定された。中国生態環境部(省)は2018年12月15日、億利クブチ生態実証エリアを表彰し、「緑水青山就是金山銀山(豊かな自然は金銀ほどの価値がある)」実践革新拠点と命名した。
王氏は「各国が協力を強化し共に対処できれば、今後10年で地球上の10分の1の砂漠化した土地を森林に変えることができる。これは毎日、世界の炭素隔離を10万トン、水源涵養を15万トン拡大し、世界の1億人以上の貧困脱却を支援できることを意味する」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2019年2月20日
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