発売から3ヶ月も経たないアップル社のスマートフォン「iPhone XR」(アイフォーン・テン・アール)が公式販売価格よりも1200元(1元は約16.0円)安く売られている。販売業者が大量に買いだめしたものの、売るに売れなくなって価格が低迷したわけではない。中国の2大ECプラットフォームの京東と蘇寧での正式な値下げで、天猫(Tmall)も仲間に加わると発表した。ここ数年、値上げばかりで革新(イノベーション)がみられなかったアップルは、今や多くの機種の価格が雪崩を打つように下がっている。市場では、アップルの動きは販売不振を受けて中国消費者に頭を下げたのだとみられている。「中国青年報」が伝えた。
▽アップルの授権の下 EC各社がアップル製品を次々値下げ
上位3プラットフォームの値下げは年に一度の春節(旧正月、今年は2月5日)に先立つ一大キャンペーンのようにもみえるが、京東と天猫が取材に対して寄せた回答からその巧妙さがうかがえる。というのも、今回の値下げはアップルの授権と許可を受けて行われたものなのだ。
京東の値下げについての回答には、「アップルの通知と授権を受けた」とある。天猫は、「今回はアップルが天猫プラットフォームで販売業者に授権して行われた値下げ」という。これはアップルの公式販売価格が変わっていないのに、各ECプラットフォームの「アップル店舗」で大幅な値下げが行われていることの説明にもなる。
▽アップグレードは振るわず 形を変えた値下げの効果は限定的
iPhoneの値下げラッシュは突然起きたわけではない。2018年末、アップルは販売促進戦略のスマイルカーブにおいて価格調整を試みていた。
アップル中国のサイトには、アップグレードに関する期間限定のお知らせがある。現在使用中のiPhoneを下取りに出せば、XRが4399元から、XSが6599元から買えるというものだ。つまり、消費者は使用中のiPhoneを最高2100元で下取りに出せるということだ。アップルが発表したばかりの新機種をアップグレードの下取り対象にするのは今回が初めてであり、またアンドロイド携帯も初めて下取り対象にしている。
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