この下取りによるアップグレードキャンペーンはアップルギブバックと呼ばれており、新たに対象に加わった他社ブランドはサムスン、華為、OPPO、vivo、小米の5つだ。このうちサムスンの「Galaxy S7 edge」の最上位機種の下取り価格は510元、華為の「Mate9 Pro」の最上位機種は720元で、中古市場での取引価格と比較するとほとんど優位性がない。よってアップルの形を変えた値下げは売上を伸ばす目立った効果を上げないと予想される。
あまり成功しそうにないキャンペーンではあるが、その後発表された業績予想をみて、ネットユーザーたちはキャンペーンの真の意図は中国の消費者に頭を下げること、これによって中国の顧客を呼び戻すことにあるのだろうと気づいた。
▽分析 中国の新世代はiPhoneに興味なし
長らく、iPhoneはアップルの主な収入源であり、一時は売上高の60%近くを占めた。販売量の低下にともない、昨年11月にはiPhoneの部品サプライヤーがそろって販売予想を引き下げた。
アップルは消費者が設備の1台1台に支払う価格をさらに引き上げる方向に転じた。こうした定価戦略により、iPhoneの小売価格はますます上昇した。この誤った定価戦略がiPhoneの売上減少の直接の原因と考えられる。
現在の中国携帯電話市場の状況をながめると、iPhoneの定価戦略の誤りが何倍にも拡大している。携帯電話の新世代である中国の95後(1995年から1999年生まれ)や00後(2000年代生まれ)は、もはやiPhoneを標準装備とは考えない。彼らは自分のお気に入りのスターの影響を受けて、vivoやOPPOなどスターが広告塔を務める携帯を使いたがる。中国の携帯新世代の多くは家族のバックアップを必要とし、親たちの多くはまだ学校に行っている子どものために1万元もする携帯を買おうとは思わないということもある。iPhoneの主力消費クラスターの80後(1980年代生まれ)と90後(1990年代生まれ)も、国産ブランドに切り崩されつつある。彼らは1万元以上する携帯を買うことはできるが、iPhoneはここ数年、新機種が出ても代わり映えしない同質化の傾向が明らかで、1万元出してアップグレードしてもそれまで使っていたものと大差ない携帯が手に入るだけだ。80後と90後に買い換えを促すことは難しいといえる。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年1月12日
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