しかし、コンビニがレジの無人化を進めているのは、発展中の無人経済の流れに乗り、それがもたらす各種メリットを考慮してのことというよりは、仕方なくそうしていると言ったほうがいいだろう。
周知の通り、日本は世界でも高齢化が最も深刻な国の一つで、労働力人口が年々減少するというのが社会問題となっている。非常に多くの店舗を抱えるセブンイレブンは、その運営や管理を行う従業員が必要となる。さらに、コンビニは365日24時間営業しており、その運営、管理には非常に多くの従業員が必要になる。だが、労働力人口は減る一方で、長期にわたってそのニーズを支え続けることは困難になっている。そのためセブンイレブンはここ数年、経営規模を縮小するしかないという難しい局面に立たされている。さらに、高齢化のほか、少子化も日本の社会問題となっている。労働力人口が減少している現状よりも、将来その状態が好転する見込みは全くないという問題のほうが、人を絶望させている。セブンイレブンが今の市場規模を維持するためには、従業員への依存度を低下させるというのが当然の策となる。日本政府も、2025年をめどにコンビニ大手5社の国内全店舗でレジの無人化を目指すことを発表している。このようにレジの無人化は日本全体のトレンドとなっている。
無人経済は、一部の企業の人手不足を解消してくれるかもしれない。しかし一方で、「無人化」は不可逆的流れであるものの、無人経済に対する懸念材料もある。無人経済を背後で支えるのは科学技術の発展で、テクノロジーが無人経済を完全に実現するだけのレベルに達していなければ、さまざまな期待も、絵に描いた餅で終わってしまう。また、無人経済が普及する中、個人情報のデータ化がさらに広く行われるようになり、情報を確実に安全に守ることができるかは依然として未知数だ。その他、近年急速に発展する無人経済をめぐる、各国の法律・法規、政府の監督・管理もまだまだ整備が必要となっている。
無人経済の発展だけでなく、日本政府は今月8日に、新たな在留資格2種類を設け、新たな14業種で外国人労働者を受け入れることができるようになっている。この政策の改正により、これまで認められていなかった単純労働の分野でも外国人労働者を受け入れることができるようになったため、深刻な人手不足の解消につながると期待されている。一方、「出生率が下がっているという問題を根本的に解決しなければ、日本の人手不足の問題が本当の意味で解決されることはないだろう」との見方を示すアナリストもいる。(編集KN)
「人民網日本語版」2018年12月13日
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