日本企業が直面する人手不足の問題を解消するため、日本の国会は法律の改正を検討しており、外国人労働者をより多く受け入れようとしている。衆議院は11月末に「改正出入国管理・難民認定法」(入管難民法)を可決し、法案は参議院に送られた。8日、参議院の本会議で可決、成立した。
日本が今、大々的に法律を改正しようとしていることから、その労働力不足の実態が浮かび上がっている。日本政府は外国人労働者の受け入れだけでなく、定年年齢の引き上げなどにより労働力不足の穴埋めをしようとしている。しかし、アナリストは、「出生率低下の問題を根本的に解決しない限り、日本の労働力不足問題を真に解決することはおそらくあり得ない」と指摘する。
民間研究機関である東京商工リサーチが今年9月に発表した調査結果によると、8月に人手不足のため破産申請をした日本企業は45社に上り、過去最高を更新した。日本の帝国データバンクが発表した統計データでも、調査対象の日本企業の45.4%が人手不足を認めたという。
人手不足の問題は物流分野で最も顕在化している。今や日本のトラック運転手の「求人倍率」は3倍以上の高水準をキープし、仕事が欲しい運転手1人に対し、雇いたい企業がは3社ある。運転手の確保が難しいため、大手輸送会社の福山通運は、10月から日曜日の集荷・配達を中止すると発表した。
運転手不足が深刻なため、10月末には物流大手の佐川急便が京都府南部で営業するタクシー会社と提携し、タクシーを利用した貨物輸送の先鞭をつけた。タクシー運転手は荷物を受け取り、客の送迎の合間に配達する。この業務がスタートすると、同業者の間ですぐに賛同の声が広がった。
11月中旬には、日本の総務省が開催した会議で、日本郵便の諫山親副社長は配送と仕分けの担当者の数が足りないため、土曜日の普通郵便の配達を廃止して、社員が残業続きで休めない状況を改善したいと訴えた。日本の郵便法では日本郵便は毎週6日以上業務サービスを提供することを義務づけられており、土曜日の配達を廃止するには法律の改正が必要だ。
物流だけでなく、小売分野でも人手不足が深刻化している。最近、チェーンスーパーの多くが人手不足を理由に2019年元旦の営業を取りやめると決定した。関東地方に290店舗を擁するマルエツは、23年ぶりに元旦は全店舗を休みにし、首都圏に約100店舗を展開するサミットは、これまで元旦のみ休みにしていたのを2連休にすると発表した。
日本のパーソル総合研究所と中央大学が10月に発表した研究報告によると、日本の人手不足問題はますます深刻化している。2030年には労働力が644万人不足するとの予測もある。産業別にみると、最も深刻なのはサービス産業と医療分野で、サービスは400万人、医療は187万人足りない。地域別では、東京が最も深刻で133万人不足する。
同報告によると、これほど巨大な不足を埋めるため、日本には今4つの方策が考えられるという。「3つの拡大」と「1つの向上」で、高齢者の就労拡大、女性の就労拡大、外国人の就労拡大、技術革新の推進による労働生産性の向上だ。
試算によると、高齢者が引き続き働けば労働力は163万人増える。20〜49歳の出産や子育てで離職した女性が復職すれば、労働力は102万人増える。改正入管法が国会を通過すれば、外国人労働力は今より81万人増加する。これでもまだ約300万人の労働力が不足しており、人工知能(AI)などの技術革新で対応するしかない。
アナリストは「『3つの拡大』と『1つの向上』が実施されるかどうかは、日本政府が政策をどれほど整備するかにかかっている。また日本の高齢化問題は悪化し続けており、出生率低下の問題を根本的に解決しない限り、労働力不足の問題を真に解決することはあり得ない」との見方を示す。(編集KS)
「人民網日本語版」2018年12月12日
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