ところが、政府が増税の時期を確定すると、日本経済界は相次いで懸念を表明した。日本自動車工業会は、「増税で日本国内の新車販売量が約30万台減少し、9万人が失業した」とコメント。日本の小売商店も大きな打撃を受けるのではないかと懸念し、政府に対し早めに対策を取るよう要請した。日本政府は目下、今年度の補正予算と来年度の予算に経済対策費用を盛り込む方向で検討中だ。
同会議が日本政府に実施を求める主要措置には、十分な予算を組んで、増税が消費に与える打撃を効果的に和らげること。増税が形を変えた収入の減少になることから、増税にあたり引き続き最低賃金の引き上げを行うことなどがある。「政府予算の経済対策の規模は10兆円以上にすべき」と提案する専門家もいる。
消費税は生活の基本的支出のほぼすべてに課されるため、中・低所得層の負担が最も重くなる。そこで日本政府は税負担軽減のためにさまざまな措置を検討中で、自動車や住宅を購入した場合の税負担軽減措置、低所得層への商品券配布、野菜や半製品などの食品への軽減税率(8%)適用などがある。
一方、日本政府は増税をきっかけに、電子決済の普及も考えている。モバイル決済が世界を席巻する昨今、日本の消費シーンの多くは現金決済の習慣を維持し、日本は典型的な「現金大国」だ。日本の金融庁が3大メガバンクの個人給与口座について調査したところ、資金の45.6%が現金で引き出され、口座振替や電子送金による決済率は54.4%だった。分析によれば、キャッシュレス決済の資金フローでは、クレジットカードによる家賃の決済やクレジット返済の自動引き落としが32%を占め、ネットバンキングなどのキャッシュレス決済による決済率は22.3%だった。大量の現金による決済はビジネス流通シーンの現金管理の負担を増やすだけでなく、政府による資金フローのコントロール管理にもマイナスだ。
そこで日本政府はクレジットカード、電子マネー、ネットバンキングで決済を行う消費者に対し、消費税率2%引き上げ分を「ポイント還元」の形で会員カードなどにバックし、負担軽減をはかるとしている。この計画を推進するため、日本政府はあらゆる店舗が新型POS(販売時点情報管理)端末、電子決済システムを設置するのを支援し、費用の3分の2を負担するという。
今回の増税により日本は5兆円を超える税収を得て、これを財政建て直しに充てることができるが、安倍首相は昨年の衆議院議員選挙での公約で新たな税収の半分を幼児教育・保育無償化に充てると明言した。その結果、20年に達成するはずだった基礎的財政収支の改善目標は25年に先送りされた。「基礎的財政収支を本当に改善しようとするなら、消費税率をさらに引き上げなければならないかもしれない」と指摘する専門家もいる。(編集KS)
「人民網日本語版」2018年11月23日
このウェブサイトの著作権は人民日報社にあります。
掲載された記事、写真の無断転載を禁じます。
Tel:日本(03)3449-8257
Mail:japan@people.cn