10年目という節目を越え、「ダブル11」(11月11日のネット通販イベント)の範囲はもはや中国国内に限られず、世界の売り手と買い手にもサービス提供を開始した。中国のEC業界は急成長により経験と知恵を蓄積し、世界のビジネスインフラにも変革をもたらした。ダブル11は世界のEC事業者さらには小売業者にとって共通の祝日になった。日増しに成熟・発展する中国のオンライン消費は、世界が共にデジタル経済に突入するための後押しをしている。経済日報が伝えた。
世界のブランドは今年のダブル11で、中国人消費者の輸入品への熱意を十分に感じ取った。天猫(Tmall)のダブル11が始まってから1時間で、カナダ産甘エビが283万匹、豪州産ステーキが137万枚、メキシコ産アボカドが14万個売れた。越境ECを主要事業とする網易考拉はダブル11が始まってから78分で、昨年同日の一日の売上を突破した。ダブル11開始2週間前、欧州・上海、ロサンゼルス・香港の空輸価格が高騰したが、欧州・北米はやや低下した。
これは中国経済の持続的な成長により、中国人消費者が力強い消費高度化の勢いを示していることを十分に物語っている。ネット通販は彼らの日増しに成長する個性的で細分化された消費の需要を集めている。中国市場の開放、政府による輸入ECの奨励策及び輸入税引き下げに伴い、海外ブランドはECというルートを通じ引き続き中国人消費者から「消費ボーナス」を獲得する。
海外ブランドは中国人消費者の歓心を買い続けるためには、越境ECという革新的な消費ルートを活用するだけでなく、さらにダブル11を含むインターネットが蓄積した正確な消費データを使い、中国人消費者の消費の需要と好みを十分に捉えなければならない。またこれに基づき自社の商品開発、在庫、販促の全体的戦略を調整し、消費者の消費動向の変化に絶えず応える現地化サービスを提供する必要がある。
一方で、今年のダブル11は世界の商品を全世界に売る初のダブル11になった。中国のECプラットフォームを通じ、海外の業者も商品を中国以外の市場にも販売した。例えばロシアの消費者はアリババの通販サイト「全球速売通」(アリエクスプレス)を通じ、トルコの商品を購入できた。また中国のEC事業に投資もしくは技術サポートを行う海外EC事業者も、ダブル11の販促活動を展開した。マレーシアにおいて、ネット通販利用者の間のダブル11の認知度は、2016年の69%から今年の96%に上昇した。ところで、中国のEC業界はそれ以外に世界の売り場で何が出来るのだろうか。
まずは各国への協力だ。特にデジタル経済のインフラが整っていない国で、物流や決済などのサポートシステムを整える。技術を与え資源を統合することで、「中国の経験」を海外で複製する。海外の業者とEC事業者は回り道することなく、消費者と効率的に結びつく。物流大手の菜鳥網絡はモスクワ、マドリード、パリなどの海外倉庫を持ち、欧州の過半数の市場で72時間内の配送を実現している。現地のEC物流配送の効率を大幅に高めた。
次に、スマート小売の経験は、同様に海外の業者から参考にされている。スペイン最大の百貨店グループの一つである「エル・コルテ・イングレス」は、今年のダブル11に中国ECサイトを利用し、スペイン現地でポップアップストアを開設し、数千カ所の受け取り場所を設置した。中国の小売業という巨木は姿の異なる新たな枝を生やすと同時に、これらの革新方向の模索により世界のオフライン小売業に利益をもたらす。
世界は平らだ。デジタル経済の高度発展は、世界経済の発展に新たな原動力をもたらしている。ダブル11は世界のEC事業者さらには小売業者にとって共通の祝日になった。日増しに成熟・発展する中国のオンライン消費は、世界が共にデジタル経済に突入するための後押しをしている。(編集YF)
「人民網日本語版」2018年11月17日
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