9月25日の国連総会での論戦は深く考えさせられるものだった。米国メディアの言葉を使うなら「誰が少数派かが明らかになった」日だった。米首脳は「多国間主義の精神的故郷である国連総会で多国間主義を批判」し、数多くの加盟国が「孤立主義的世界観を振りかざし、国際組織の価値に疑問を呈する」米国を次々に批判した。(人民日報「鐘声」国際論評)
このところ、「米国第一」の旗印を掲げる一国主義と平等・協力を唱える多国間主義との間の溝と衝突がますます明らかになってきている。今回の国連総会で、国連高官や各国政府要人は米国の一国主義的手法に力強く反撃し、多国間主義を守る強い意志を表明した。グテーレス国連事務総長は「目下、多国間協力の原則が攻撃を受け、世界は信頼赤字に直面し、国の内部ではポピュリズムと両極化傾向がいくらか台頭している。世界が最も差し迫って多国間協力を必要としている時にあって、各国は多国間主義の推進に尽力すべきだ」と述べた。
国際社会では保護貿易主義への批判の声が高まっている。保護主義的措置が孤立主義を招き、国際体制を脅かし、世界経済を損ない、共同発展のチャンスを逸する事態を招くことを人々は非常に憂慮している。「今日の多極的世界では、米政府が自分勝手な行動をすればするほど、他の国々は自らも同様に振る舞う権利があると感じるようになる。これによって今年の国連総会は危険続きのものとなった。国際協力を信奉する人々にとって、国連総会は自ら立ち上がって国際協力を守る機会でもある。なにしろ今は国際協力を最も必要とする時なのだから」。英紙フィナンシャル・タイムズは社説「『米国第一』の下での国連総会」でこう指摘した。
「米国式にやみくもに突き進む」一国主義は、すでに国際社会に負のエネルギーを多くもたらしている。四方から攻撃を仕掛けて国際貿易摩擦を引き起こす、頻繁に国際組織を一方的に脱退する、国際合意を破棄する、国際的約束に背く。米政府による一連の目先の利を焦る近視眼的手法は、米国の国際的信望を傷つけ、その国際的地位と戦略的利益も揺るがしている。米国の政治哲学者、フランシス・フクヤマ氏は「米国は世界政治に大きな不安定化要因をもたらした。『米国第一』主義の政治が向かう先は『米国独行』の世界でしかありえない」と指摘する。経済グローバル化の大きなうねりは勢いよく前進している。米紙タイムは「『米国第一』は72年間続いた『米国のリード』を終結させる恐れがある」と鋭く指摘した。
世界の多極化の趨勢は阻むことができず、一国主義がまかり通ることは不可能だし、永遠にまかり通らない。多国間主義を堅持し、グローバル・ガバナンスを完全なものにすることは時代の要請であり、世界各国の共通利益もここにある。開放的に通じ合い、大勢に順応して行動してこそ、広大な発展の空間と持続可能な成長の原動力を見つけることができる。(編集NA)
「人民網日本語版」2018年9月28日
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