EC企業は今、消費者にさらに多くの選択肢を提供すると同時に、ハイテクを活用して顧客体験の向上を目指している。例えば、ネット上で画像を見るだけでは、服のサイズが自分の体に合うかどうかを確認することはできないため、無料で衣類の返品や交換に応じているECプラットフォームも多い。しかし、そうなると、経営コストが上昇してしまうというデメリットがある。そんな問題を解決しようと、日本のファッション通販サイト「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」は、ハイテクを活用して全身を採寸し、体型に合わせた服が買えるサービスを始めた。
ゾゾタウンは昨年、体型のサイズを瞬時に計測できる新しい技術を搭載した計測スーツ「ZOZOSUIT」を打ち出した。このスーツは、全体にドットマーカー数百個が施されており、スマートフォンのカメラで360度撮影すると、専用のアプリが体形をスキャンし、それが3Dモデルとして画面に表示される。胸囲やウエストのほか、首回り、腕の太さなど、全身24ヶ所の寸法を計測し、そのデータを基に、オーダーメイドの衣類を制作することができる。
オンラインショッピングをよく利用するという東京在住の古瀬亜里沙さんは、数ヶ月前に、友人の勧めで、「ゾゾタウン」を利用したといい、「ジーンズなどは結構自分に合っていないのが多い。ふくらはぎと太もものサイズが合うものがないので、ZOZOSUITを着て、自分に合うサイズのものを見つけることができた」と話す。
ZOZOSUITを打ち出して以降、「ゾゾタウン」に寄せられるサイズが合わないことが理由の返品要求は大幅に減ったという。オンラインでの衣類販売において先頭を走る同社がその地位を固めるのにハイテクが一役買った形だ。同社の過去1年の売上高は前年同期比増の980億円以上に達した。同社は、このサービスをサイト内で販売している他のブランドの商品にも活用する計画だ。
取材を進めていた過程で、ゾゾタウンの前澤社長はさらに人生における大きな決定を下したことを明らかにした。それは月旅行を計画している米宇宙企業・スペースXと契約して、初めての乗客として月に行くというものだ。前澤社長は、この計画を通して、オーダーメイドの概念をさらに自分の会社に浸透させていと考えているという。
「ビジネスもそうだし、今回の月旅行もそう。ビジネスにおいてもチャレンジングなことをして、冒険的なことをするのは大好きなので、そういう意味では共通点がある。現在は足のサイズを計測する設備を研究開発しており、もうすぐ正式に発表できる計画だ」と前澤社長。
日本野村総合研究所の研究員・土橋和成氏は、「今は持っているデータに誤差が含まれている状態なのと、精度の問題がある。それが、難しさであり課題。マス・カスタマイゼーションという言葉でよく表されるが、オーダー自体はこれまで嗜好品として一部の人だけに広まっていたが、今は一般消費者が気軽にオーダーできる世界になっている」と分析する。(編集KN)
「人民網日本語版」2018年11月14日
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