日本では街のあちこちでリサイクルショップを目にすることができ、リユース市場は非常に発達している。近年、スマートフォンが普及するにつれ、日本の中古品取引の舞台はスマートフォンアプリへと少しずつ移行しており、その市場は特に成長が著しくなっている。人民日報が伝えた。
新品と比べると、中古品は値段が安く、新品の10分の1ほどの値段でやり取りされている商品もある。また、専門家の鑑定やクリーニングも経ているため、品質も保証されている。日本はバブル崩壊後、平均所得に成長が見られず、少しでも支出を減らそうと、安価な中古品を買う人が増えている。
日本の経済産業省が今年4月に発表した報告によると、2017年、日本の衣服、雑貨、電器、家具などの中古品(中古車や中古住宅は含まず)などのリユース市場規模が2兆1000億円に達した。うち、フリマアプリを通して行われた中古品の取引が4835億円で、前年比58.4%増となった。
日本総合研究所の小方尚子主任研究員は、家庭に眠っている不用品は多いため、今後も伸びが続くと見ている。経済産業省の統計によると、家庭にある家具やブランド品、衣服、子供用品などの推定価値は約7兆6000億円だ。日本のリユース市場がさらに発展して6兆—8兆円規模になれば、日本の家電市場に匹敵し、国内総生産(GDP)の1%以上を占めることになる。
一方でリユース市場が拡大を続けると、新しい商品の生産に影響が出るのではないかと懸念する声もある。「日本経済新聞」は、「費用対効果を考えて中古で済ます人が増えれば、新品の需要は減る」と指摘する。第一生命経済研究所の経済学者・永浜利広氏は、中古品市場の拡大が名目GDPを0.2ポイントほど押し下げていると試算、物価上昇率も下押ししている可能性があるとの見方を示す。それでも、リユース市場が拡大すれば、小売市場にもプラスの影響が働くと見る人は多い。東京のあるホテルのウエディングプランナーは、「売るのを念頭にウエディングドレスを購入する新婦が増えた」と話す。
消費者の中古品購入意欲が高まっているのを背景に、リユース市場の周辺産業への波及効果も大きい。慶応大学の山本晶准教授によると、フリマアプリ・メルカリへの出品件数が累計で10億件に達し、ユーザーの支払う配送料は14%増となっている。また、商品を売る前に、クリーニングや修理店を利用することが多い上、郵送には梱包も必要だ。山本准教授の試算によると、周辺産業の需要は最大で年間750億円にのぼる。膨張する「中古品エコノミー」をビジネスチャンスと見なす必要がある。
その他、リユース市場が人気を高めていけば、人々の環境保護に対する意識向上や、資源の節約、環境保護にもつながり、経済発展に良い循環をもたらすとする専門家もいる。(編集KN)
「人民網日本語版」2018年9月8日
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