騰訊(テンセント)が株式の20.14%を保有するフードデリバリー大手・美団の上場が秒読み段階になる中、オンライン映画チケット販売大手の猫眼微影の上場のうわさもついに現実のものになった。今月3日、香港聯合取引所は猫眼のエンターテインメント企業・猫眼娯楽の新規株式公開(IPO)の目論見書を発表。閲文、小米、美団に続く、中国新経済の代表的企業の香港上場になる見込みだ。猫眼娯楽は中国最大のオンライン映画チケットサービスプラットフォームとして、騰訊、光線伝媒、美団の3大企業をバックボーンに、今回のIPOで約10億ドル(約1115億円)の資金調達を見込む。同社の評価額は現在約200億元(約3262億円)となっている。「北京日報」が伝えた。
発表された目論見書によると、米国のメリルリンチとモルガン・スタンレーが猫眼のIPOの共同主幹事となり、中国の華興資本が単独で財務顧問になる。今回の調達資金は主に総合プラットフォームの実力向上、研究開発と技術の基礎構築、潜在的投資と買収、運営経費と諸経費に充てられる。
猫眼にとって、騰訊や美団との提携は巨大なフローの獲得を意味する。現在、ユーザーは微信(WeChat)、美団、点評、QQ、猫眼、格瓦拉の6つのポータルサイトから猫眼のチケットサービスをはじめとする各種エンターテインメントサービスを利用している。収入をみると、猫眼の営業収入は主にオンラインエンターテインメントチケットサービス、エンターテインメントコンテンツサービス、エンターテインメントECサービス、広告サービス、その他によるものだ。
騰訊、美団、光線などの科学技術や文化エンターテインメントの大手から何重もの支援を受けて、猫眼はもはや「映画チケットの販売だけの会社」ではなくなった。たとえば、95後(1995年から1999年生まれ)や00後(2000年代生まれ)の若い観客を掘り起こしたことにより、今後は「交流+シーン」型の営業販売モデルが徐々に主流になることが予想される。猫眼は微信の小程序(ミニプログラム)を利用して、これまでに割引き、団代購入、分裂型お年玉(裂変紅包)、ミニゲームなどのSNS連携スタイルを打ち出し、提携する映画作品のためにビッグデータなどの技術を利用した革新型・双方向型の営業販売を展開し、猫眼小程序のユーザーはすでに1億5千件を超える。美団の王興最高経営責任者(CEO)は、「飲食や娯楽の中で、映画はIT(情報技術)化レベルが最も高い分野だ」との見方を示す。
2013年1月、映画チケットの団体購入を手がける美団電影が社名を猫眼電影に変更し、美団網傘下の全額出資子会社となった。16年には美団の王興CEOが内部文書を通じて猫眼電影の事業切り離しを発表し、完全に独立して運営を行うようになり、その一月後には、光線伝媒と光線の持ち株会社が出資と現金により猫眼電影の株式の57.4%を取得した。17年には猫眼電影と微影時代がオンラインチケット業務で合併して新会社・猫眼微影が誕生し、騰訊から10億元(約163億円)の融資を獲得した。(編集KS)
「人民網日本語版」2018年9月5日
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