人民大北区食堂1階のスマート学食で「トレーのスキャン」で会計を済ませる学生(撮影・袁芸)。 |
中国人民大学(人民大)北区食堂1階の学生食堂で4日、「スマート会計」サービスがスタートした。学生たちは好きな料理を自分で選び、料理を載せたトレーを「会計ゾーン」に置くことで、会計カウンターが様々な食器に付けられた価格情報の搭載されたチップに反応し、自動的に合計金額を算出する。学生がその額をカードで支払い、会計は終了となる。その全プロセスはわずか3秒。学生が学食で会計のための長蛇の列に並んでいた時間が、これにより大幅に節約できることになった。現在、北京内外の多くの大学で、このような「スマート会計システム」の導入が始まっているという。北京青年報が伝えた。
〇「トレーのスキャン」で、支払いはわずか3秒で完了
4日午後4時30分、まだ夕食には早い時間帯であるというのに、人民大北区食堂1階の学生食堂では、すでに長蛇の列ができていた。「スマート会計」という最先端技術を試す「勇者」になりたいと、多くの学生が詰めかけたからだ。
「ご飯1人前0.25元(1元は約16.3円)、ニンニクの芽と卵の炒め物5元、トマトと卵のスープ1元、青菜炒め2元」-スマート学食の会計出口では、学生たちが各自好みの料理をトレーの上に載せ、そのトレーを「会計ゾーン」にあるカウンターに載せている。カウンター上のスクリーン左側の16マス画面には、料理名と価格が表示され、右側にはそれぞれの数量・総額・栄養成分・学食カードのチャージ残額などの情報が示される。
上述の会計カウンター上のスクリーンに対応して、学食の職員用に、傾斜45度、15インチサイズの立体スクリーンが設置されている。このような構造は、スーパーのカウンターに非常によく似ているが、学食での会計は自動感応機能が備わっており、わざわざスキャンする必要がない点でスーパーと異なっている。カウンター上にトレーを置いてから学食カードで会計を済ませるまでの時間は全体でわずか3秒だ。
北区食堂の王祚栄主任は、「スマート学食の全ての食器には、RFIDチップが埋め込まれており、このチップから食器内の料理の情報が反映される。食器を会計ゾーン(RFID感応エリア)に置くと、コンピューターがチップを自動的に読み取り、現代通信技術によって、スピーディな会計が実現した」と紹介した。
〇ビッグデータ活用でよりバラエティに富むメニューを提供
学生が並ぶ時間を削減し、会計効率を高めるほか、スマート会計という最先端技術は、学食を利用する学生の「飲食関連ビッグデータ」も提供してくれる。
人民大スマート学食の営業試行が始まると、学生たちはそれぞれ、大学の公式微博(ウェイボー)や微信(WeChat)上に、「栄養成分表があれば、消費すべきカロリーを知る助けとなる」といった要望を投稿した。中国人民大学後勤集団の宋大我・総経理は、「我々は、大学の商業学院や統計学院と提携して、さらに一歩踏み込み、ビッグデータを通じて学生の消費すう勢を分析・掌握し、学生がより健康的な飲食習慣を確立できるよう手助けしたい。飲食健康アプリをリリースして、学生が他のスポーツ・フィットネス関連アプリとリンクできるようにして、理に叶ったカロリー摂取方法を彼らに提案したい」としている。
また、北区食堂の王祚栄主任は次の通りコメントした。
「これらのビッグデータのおかげで、さまざまな面倒ごとを省くことができた。これまでは、学生の味の好みを知るには、アンケート調査以外に方法はなかった。だが、今では、彼らが利用する学食カードによって、彼らの好みが明確に分かるようになった。ビッグデータを利用することで、学食で提供する料理の新旧交代について、完全に理解できるようになった。学生たちが選ばない料理はすぐに撤収することができる。また、このビッグデータは、厨房の管理にも重要な根拠データを示してくれる。これまでは、調理師が毎日どれくらいの量の料理を作るべきかについて、計算が非常に難しかった。だが今では、販売データが販売業績・審査基準をはっきりと示してくれる」。(編集KM)
「人民網日本語版」2018年9月6日
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