創業から9年を迎えた「サブカルチャー」の雄とされる動画サイト「ビリビリ」は、このほど米国ナスダック市場への上場を果たし、記念の鐘を鳴らした。初日の始値は1株9.8ドル(1ドルは約106.3円)で、発行価格の11.50ドルを14.78%下回り、最終的に2.26%下落の11.24ドルの終値でこの日の取引を終えた。「北京晨報」が伝えた。
ビリビリは今回の新規株式発行(IPO)で米国預託証券(ADS)4200万株を発行し、1ADSはZ類の普通株式1株に相当する。発行額は1ADSが11.5ドルで、資金調達額は4億8300万ドルに上り、同社の時価総額は約32億ドルになった。
ビリビリの陳睿会長は、「ビリビリが今回調達した資金には3つの使途がある。1つ目は技術インフラの増強、2つ目は創作者のための環境整備、3つ目は人材の誘致で、人工知能(AI)やコンテンツ運営を担う人材が含まれる」と述べた。
中国の若者たちの代表的コミュニティであるビリビリは、記念の打鐘式も一風変わった様子をみせた。当日のナスダック市場前の広場には、ビリビリの二次元キャラクター「22娘」や「33娘」に扮したコスプレーヤーが集まってダンスを繰り広げ、ビリビリらしさにあふれていた。陳会長もIPOを祝し、すべてのユーザーにゲームと動画視聴のボーナスを贈ると発表した。
アニメ、漫画、ゲームのサブカルを中核とするビリビリは、月間アクティブユーザーが7640万人に上り、うち9~28歳の青少年が80%以上を占める。現在の主な収入源はモバイルゲーム、広告、動画放映、付加価値サービスなどだ。このうちモバイルゲームは17年の純営業収益の83.4%を占めた。動画サイトと銘打つビリビリの「主業務は不調、副業務が好調」というモデルや単一の収入源への高い依存度は、米国の投資家やアナリストが同社に疑いのまなざしを向け、株価が振るわなかった主な原因であるとも考えられる。(編集KS)
「人民網日本語版」2018年3月30日
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