コカ・コーラは実際、健康飲料に対する市場のニーズに対応するため、さまざまな新商品を打ち出し、過去3年間だけでもアジア・太平洋地域で500種類を超える新商品を発売してきた。ジェームス・クインシー最高経営責任者(CEO)は、「コカ・コーラは目下、全面的なオール飲料メーカーへのモデル転換を加速させ、ミネラルウォーター、ジュース、コーヒー、お茶などの新事業の開発を進めている」と述べた。
コカ・コーラは炭酸以外の商品配置を加速させると同時に、収益率の低い瓶詰飲料事業を切り離し、身軽になって次の戦いに挑もうとしている。
▽「アルコールはご法度」をやめモデル転換
コカ・コーラは従来のコア業務のほかに新たな可能性を模索しており、対象はジュース、コーヒー、お茶に限らず、アルコール飲料も対象になるという。
海外メディアの報道によると、市場での低迷状態を打開するため、125年にわたりアルコールはご法度だったコカ・コーラが、ついにアルコール飲料事業に乗り出すことになった。アルコール分野の第一歩は日本市場で踏み出すという。
コカ・コーラが参入するのは日本で成長を遂げるチューハイ飲料市場で、「ストロングゼロ」、「ハイボールレモン」、「スラット」などの日本ブランドが市場を主導している。コカ・コーラの上層部は、「今回の動きによりコカ・コーラは非常に競争の激しい市場に足を踏み入れることになる」と述べた。
コカ・コーラが日本を選んで事業を展開するのは、日本でのチューハイ市場の盛り上がりと無関係ではない。
公開された資料によれば、チューハイは焼酎をソーダで割ったアルコール度数3〜8%の缶入りアルコール飲料で、日本では特に女性に人気があるという。市場調査データをみると、13年以降、チューハイ市場の全体的な成長率は5〜25%を維持し、大きな潜在力があることがわかる。
コカ・コーラ日本法人のホルヘ・ガルドゥニョ社長は、「今回の取り組みはコカ・コーラが特定の市場を対象に打ち出す適切な試みであり、チューハイ飲料が日本以外の地域で売り出される可能性はたぶんない」と述べた。
モデル転換でも模索でも、コーヒーでもお茶でもアルコールでも、コカ・コーラはできることは何でもやり、縮小を続ける炭酸飲料市場の中にいて衰退や落伍を何としてでも防ごうとしている。だが業界では、コカ・コーラは炭酸飲料が今なお主導的な地位を占めており、新商品の業績促進の効果はまだよくわからず、広告宣伝だけで大量の資金が使われている。コカ・コーラが「オール飲料時代」を切り開くまでには、長く苦しいモデル転換の時期を潜り抜けなければならないとの見方が広がる。(編集KS)
「人民網日本語版」2018年3月20日
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